国宝『大師堂(西院御影堂)』
かつて弘法大師空海が居住していた現在の御影堂付近は「西院(さいいん)」と呼ばれ、運慶の4男「康勝」による国宝『弘法大師坐像』を安置するため、御影堂や大師堂と呼ばれる。 東寺では「御影堂」とされることが多いが、国宝の指定は「大師堂」となっている。 妻戸や蔀戸が使われ、廻廊を巡らすなど、住居の様式が残されている。
住坊だった創建当初の建物は、康暦元年(1379年)の火災で焼失し、康暦2年(1380年)に「後堂」と呼ばれる部分が再建され、明徳元年(1390年)には北側の「前堂」と西側の「中門」が増築される。 北に向く前堂には国宝『弘法大師坐像』を、南に向く後堂には空海の念持仏で絶対秘仏とされる国宝『不動明王像』が安置される。 現在は鎮守八幡宮に安置される国宝『僧形八幡神・女神像』も、御影堂で発見された。
この国宝を観るには
毎朝6時に弘法大師像に食事を供える「生身供」から夕方の閉門時間まで、無料で拝観可能。 北に面した後堂側は、外陣に上がって参拝することもできる。 御影堂では以下の法要が行われ、国宝の弘法大師坐像が開扉される。
生身供
毎朝6時~(5:50頃までに御影堂の西門か唐門前に集合)
法要後には、弘法大師請来の仏舎利を頭と手に授けて(乗せて)もらえる。
御影供
毎月21日 10:00~、14:00~ 御影堂にて
21日は、大日堂や鎮守八幡宮でも法要があり、境内には1,000店もの露店が並ぶ。
お逮夜
毎月20日 14:00~ 御影堂にて
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1835
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00190
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】教王護国寺大師堂(西院御影堂)
【ふりがな】きょうおうごこくじだいしどう(さいいんみえいどう)
【員数】1棟
【時代・年】康暦2年(1380年)
【寸法・重量】
【構造・形式】後堂、前堂及び中門より成る
後堂 桁行七間、梁間四間、一重、入母屋造、北面西側端二間庇、
すがる破風造、東面向拝一間
前堂 桁行四間、梁間五間、一重、北面入母屋造
【附指定】厨子1基、棟札5枚
【所在地】京都府京都市南区九条町
【国宝指定日】1958.02.08
【説明】西院は教王護国寺(東寺)の西北一廓を占ある別院であって大師堂は西院の中心建築である。弘法大師の住房を佛堂としたもので、現在の建築は康暦二年(一三八〇)の再建であり、更に明德元年(一三九〇)には北に前堂が附加されたが、なおよく住房の形式を伝えている。