宇治上神社のこと
宇治川を挟んで平等院の反対岸には、「宇治神社」と「宇治上神社(うじがみじんじゃ)」が並び、二社あわせて「宇治明神」や「離宮社」と呼ばれた時代もある。 創建の詳細は不明だが、対岸に平等院が出来ると鎮守社とされ、藤原氏からの奉納や奉仕があった。
祭神は、中殿に「応神天皇」、右殿には応神天皇の皇子で次代天皇の「仁徳天皇」、左殿には仁徳天皇の異母弟「菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)皇子」をまつる。 日本書紀によると、菟道稚郎子を愛した応神天皇が御位を譲ろうと皇太子に立てたが、仁徳天皇とお互いに皇位を譲り合い決着をみなかったため、菟道稚郎子が自ら命を絶ったという。
国宝『本殿』
現存する最古の神社建築で、平安時代後期頃の造営だとされる。 柱が4隅にあり、庇が手前に大きく伸びる「一間社流造」の社殿が3社並び、それを「覆屋」が覆うが、右殿と左殿の軒を伸ばして覆屋を作っている。 覆屋は、桁行(正面)5間(柱の間が5つ)、梁間(奥行)3間で、正面は全て格子になっており、近づくと中の三殿を観ることができる。
宇治上神社の国宝
宇治上神社は『拝殿』も国宝に指定されています。
この国宝を観るには
宇治上神社は門があるので、開門時間内のみ参拝可能。 原則9:00~16:30だが、季節によって変動する。 参拝は無料。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1946
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00050
【種別】近世以前/神社
【指定名称】宇治上神社本殿
【ふりがな】うじがみじんじゃほんでん
【員数】1棟
【時代・年】1086-1184
【構造・形式】桁行五間、梁間三間、一重、流造、檜皮葺、内殿三社、各一間社流造
【所在地】京都府宇治市宇治山田
【国宝指定日】1952.03.29
【説明】宇治川を挟んだ平等院の対岸にある。創始は明らかでないが、平等院鳳凰堂の完成後、宇治に来訪する貴族の信仰も厚かった。本殿は外観が特異であるが、規模の違う一間社流造の内殿三棟を覆屋で囲んだ形式で、内殿は全国に普及した流造の典型。建立年代は細部の手法から12世紀前期と推定され、神社建築として最古の遺構である。