国宝『東大寺 本坊経庫』
正倉院と同じ「校倉作り」で作られており、東大寺エリアに6つ残る校倉建築の中では比較的大型なもの。 元は、油用の倉として使用されていたものが、江戸時代に現在地に移築された。 校倉造りは、木材を重ねて積み上げた建築で、日本では木材を三角形にして積み上げたものが、大寺院などに残っている。 東大寺本坊経庫は、奈良時代に作られたものだが保存状態が良い。
現在、経庫がある「本坊」一帯は、元は東大寺の子院「東南院」があった場所で、東大寺の寺務を行う寺務所や聖武天皇をまつる天皇殿などがある。 通常は一般公開されておらず、毎年5/2の「聖武天皇御忌」や、東大寺友の会の講演会等で入ることができる。
この国宝を観るには
5/2の「聖武天皇御忌」は、経庫の先にある天皇殿で行われるため、法要(8:00~11:40頃)の参拝の途中で観ることができる。(8:00~14:00) 経庫は、本坊の門から近い位置にあるので、本坊で開催される東大寺友の会の講演会や展示などの際は、観ることができる。 ※時間は2019年の情報です
細川護熙元首相奉納屏風 特別公開
細川護熙元首相が奉納された「白文 華厳唯心偈」の屏風が、普段は非公開の天皇殿で公開されます。 年に一度しか入れない天皇殿ですが、その際も法要の様子を周りから眺めるだけなので、中に入れる貴重な機会です。 天皇殿に向かう途中の右手には、国宝『本坊経庫』があります。
期間:2019/11/2~10
時間:9:30~17:00(受付は16:30まで)
場所:華厳宗大本山東大寺 天皇殿
料金:中学生以上¥500、小学生以下無料
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2454
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00125
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】東大寺本坊経庫
【ふりがな】とうだいじほんぼうきょうこ
【員数】1棟
【時代・年】奈良時代(710~793年)
【構造・形式】桁行三間、梁間二間、校倉、寄棟造、本瓦葺
【所在地】奈良県奈良市雑司町
【国宝指定日】1953.03.31
【説明】東大寺の校倉は三棟現存しているがその中で規模が大きく且つ古い材料もよく保存されている。丸垂木である点など古式で奈良時代東大寺の校倉建築を代表するに足る遺構である。
鑑賞ログ
2019年5月
東大寺の建築物でこちらだけ一般公開されていません。 南大門をくぐってすぐ右手の塀の中というのは検討がついていましたが、屋根だけではどれが経庫かわからず。 そんな時に、天皇殿での法要に参加できることに気付きました。
ダメ元で、問い合わせもせずに出かけてみましたが、カンが当たっていて、天皇殿への途中で経庫も拝見することができました。 看板などもなく、さりげなすぎるので、皆さんスルーしていきます。 やや大型の校倉造りで、他の大寺のものと特にかわることはありませんが、とても保存状態の良いものでした。 参加は無料ですが、記念品の鉛筆まで頂けて、なんだかすごく嬉しかったです。