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国宝-建築|春日大社本社 本殿[奈良]

国宝DB-建築

春日大社のこと

春日大社は、710年の平城京遷都の頃に御蓋山(みかさやま)に、鹿島神宮の武甕槌命(たけみかづちのみこと)を祀ったことに始まり、神護景雲2年(768年)には称徳天皇の詔で社殿が整えられ、現在と同じ御祭神となる。

春日大社

国宝『春日大社本社 本殿』

本社本殿は、東側(正面に向かって右)から、第一殿~第四殿まで4つの棟が横に並んでおり、全て文久3年(1863年)に建造されたもの。 神社の建築様式「春日造り」で、切妻屋根の妻入り(天井に向かって尖る部分が正面に見える)になっており、正面には庇が付くので、入母屋造りのようにも見える。 

御祭神は、4柱をあわせて春日神とする。
第一殿:武甕槌命(たけみかづちのみこと)鹿島神宮
第二殿:経津主命(ふつぬしのみこと)香取神宮
第三殿:天児屋根命(あめのこやねのみこと)
第四殿:比売神(ひめがみ)

春日大社 春日造りの国宝社殿
東京国立博物館「日本のたてもの」で展示された模型

この国宝を観るには

3~10月は6:30~17:30、11~2月は7:00~17:00まで参拝可能だが、通常参拝では本殿の屋根しか観ることができない。 本殿前の特別参拝は有料(¥500)で、9:00~16:00に申し込めるが、年末年始や行事日などは中止になる。

境内のみどころ

国宝殿

御本殿と万葉植物園やバスターミナルの間にある博物館で、年に数回の企画展を開催し、春日大社の所蔵する国宝ほかの宝物類を展示している。 1Fには春日若宮御祭で使う大型の太鼓「鼉太鼓」が展示してあり、これは外からも眺められる。

春日大社 国宝殿

藤の花

藤原氏の氏神を祀っている春日大社には藤の花が多く、境内には「砂ずりの藤」という銘木もあり、GW前後に見頃を迎える。 御巫(みかんこ)と呼ばれる巫女の簪も藤の花があしらわれている。

春日大社

万燈籠

平安時代から現在まで、数多くの燈籠が奉納されており、節分・8/14・15の年に3日だけ、全ての燈籠にあかりが灯される。 本殿奥にある「藤浪之屋(ふじなみのや)」では、万燈籠の再現を1年中体験することができる。 燈籠は公家や武将が奉納したものも残っている。

春日大社 万燈籠

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-2533
【棟名】本殿 (第一殿)

【台帳・管理ID】102-2534
【棟名】本殿 (第二殿)

【台帳・管理ID】102-2534
【棟名】本殿 (第三殿)

【台帳・管理ID】102-2534
【棟名】本殿 (第四殿)

【指定番号】00186
【種別】近世以前/神社
【指定名称】春日大社本社
【ふりがな】かすがたいしゃほんしゃ
【時代・年】文久3年(1863年)
【構造・形式】一間社春日造、檜皮葺、各殿間及び両脇塀附属
【附指定】透塀、内鳥居、瑞垣
【所在地】奈良県奈良市春日野町
【国宝指定日】1956.06.28
【説明】春日大社の本殿形式は「春日造」とよばれ、日本の神社建築の形式として広く分布している。この建築は文久三年(一八六三)のものであるが、式年造替によってよく古い形が守られている。春日造の代表例として指定された。

出典:国指定文化財等データベース 一部抜粋

ついでにグルメ

奈良国立博物館近くにある「一の鳥居」から春日大社の参道を歩くと、万葉植物園の手前に「春日荷茶屋」があります。 天秤棒で荷って茶や軽食を売り歩いた「荷茶屋」は名物だったようで、江戸時代の書画にも登場するそうです。

名物の「万葉粥」¥1,000は、正月の七草、春は菜の花やタケノコ、秋には栗やキノコなど、万葉集を感じさせる季節の味になります。 万葉粥に柿の葉寿司の付くセットや、甘味などもあって、キレイな店内で、ゆっくり飲食できるようになっています。

春日荷茶屋「万葉粥」正月の七草

鑑賞ログ

2020年2月

2月に1週間開催されるイベント「なら瑠璃絵」は、奈良公園周辺の寺社がライトアップされて、イベントも開催されます。 この万燈会は、お盆などに開催される催しで、廻廊に所狭しと吊られた燈籠に明かりが灯されます。 一の鳥居から本殿までの石燈籠にも明かりが入って、とても幻想的です。

お盆の万燈籠はわかりませんが、このイベントは現代風のライトアップも併用されるので、参道なんかはインスタ映えスポットも多いんです。 ですが、境内は燈籠の明かりと控えめなライトアップのみ。 燈籠の明かりって思ったより暗いんですよ。 これだけの数が灯されていても、注意しないと足元が危ないくらいの明かりです。 でもこれが、千年以上前の人が見た景色なんですよね。

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