国宝『法隆寺 五重塔』
木像の五重塔としては最古のもので、 屋根は軒が深く、上に行くほど小さくなり、1番上の5層は1番下の1層の約半分ほどの長さになっている。 1層の下には、風雨や汚れ除けの「裳階」という屋根のようなものが付けられおり、屋根は瓦葺きだが裳階だけは板葺きになっている。
中心を貫く心柱の下には、舎利容器に納められた仏舎利が埋納されている。 1層は四方が扉になっており、各方向に塑像(そぞう)という粘土製の仏像・人物像群があり『塔本四面具』として国宝に指定されている。 三名塔の1つにも数えられる。
この国宝を観るには
法隆寺を有料拝観すると間近で観ることができる。 拝観時間中は、初層四方の扉が開けられており、国宝『塔本四面具』も観られる。(外から覗くのみで内部に入ることはできない)
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2683
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00022
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】法隆寺五重塔
【ふりがな】ほうりゅうじごじゅうのとう
【員数】1基
【時代・年】飛鳥時代(593~709年)
【構造・形式】三間五重塔婆、初重もこし付、本瓦葺、もこし板葺
【所在地】奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】五重塔は安定した美しい外観をもつ最古の木造塔で、金堂にひきつづいて七世紀末に建立されたものと思われる。二重基壇上に建ち、組物は金堂同様の雲斗雲肘木、軒も金堂同様の一軒角垂木で、独特の様式をもつ。心柱は地中に心礎を据えて掘立柱とし、初重の四天柱をつつみこんで塑像の須弥山を構え、天井板には蓮花文を画く。二重以上は柱盤の上に短い丸柱を立て、順次積上げ、五重は柱間を二間とする。金堂などとともに飛鳥様式を色濃く伝えるものと考えられ、洗練された意匠になる名塔である。