大徳寺塔頭 高桐院 のこと
京都大徳寺の塔頭「高桐院(こうとういん)」は、細川ガラシャを母にもつ細川忠興(三斎)が、父の藤孝(細川幽斎)の菩提を弔うために建立した細川家の菩提寺で、大徳寺の住持もつとめた玉甫紹琮(ぎょくほじょうそう)が開祖となっている。 忠興は千利休に茶の湯を学び、利休の高弟「利休七哲」の1人とされ、高桐院の書院は利休屋敷を移築したもので、忠興の墓標は利休から贈られた石灯籠が用いられている。
国宝『山水図(秋冬山水図)』
中国の北宋~南宋時代に活躍した画家「李唐(りとう)」は、北宋時代には皇帝自身も絵を得意とした徽宗皇帝の画院に入り、北宋滅亡後は流転の後に、南宋の高宗皇帝の画院で待詔の位に任ぜられた。 北宋の様式を南宋に伝え、両者をつなぐ役割を果たしている。
高桐院の創建時から伝わる2幅の山水図は、右幅に「李唐画」の隠し落款があり、制作時期については北宋時代とする説や南宋時代に入ってからとする説があり、解決をみていない。 附指定されている呉道子筆の「楊柳観音図」を中央に配した3幅対で伝わったもので、元は3幅とも呉道子によるものだとされていた。
この国宝を観るには
大徳寺本坊の曝涼(虫干し)と同日の、毎年10月の第2日曜日に公開されていたが、修復と新型コロナで中止が続いている。
平成29年6月から、本堂屋根瓦の葺き替えと耐震補強工事で拝観を休止していたが、そのまま新型コロナの感染拡大により休止が延長されている。
寺外での公開履歴
2023/11/3~12/3 根津美術館「北宋書画精華」
2019/8/14~9/16 京都国立博物館「京博寄託の名宝」
2017/10/17~10/29 京都国立博物館「国宝」
2016/11/8~11/27 東京国立博物館「禅―心をかたちに―」
2016/5/3~5/22 京都国立博物館「禅ー心をかたちにー」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-59
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00055
【種別】絵画
【指定名称】絹本墨画山水図
【ふりがな】けんぽんぼくがさんすいず
【員数】2幅
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【ト書】右幅に「李唐画」とある
【附指定】絹本墨画楊柳観音図 1幅
【所有者】高桐院
【国宝指定日】1952.11.22