漁村夕照図(伝牧谿筆)[根津美術館/東京]

漁村夕照図(伝牧谿筆)[根津美術館/東京]

瀟湘八景のこと

瀟湘八景(しょうしょうはっけい)は、現在の中国湖南省、洞庭湖の南側で瀟水(しょうすい)と湘江(しょうこう)が合流する辺りの景勝地。 季節や時間など組み合わせ「平沙落雁」「遠浦帰帆」「山市晴嵐」「江天暮雪」「洞庭秋月」「瀟湘夜雨」「煙寺晩鐘」「漁村夕照」と8つの画題にしている。 古くから山水画の画題として好まれ、日本でも真似て「近江八景」や「金沢八景」が成立した。 

国宝『漁村夕照図』伝牧谿筆

横幅3mを超える掛軸になっている「漁村夕照図」は、中国南宋の画僧「牧谿(もっけい)」の作と伝わり、元は1巻の瀟湘八景図を分断したものだと考えられる。 元は同一巻だったと推察される、畠山記念館の国宝『漁村夕照図』、出光美術館の重要文化財「平沙落雁図」、京都国立博物館の重要文化財「遠浦帰帆図」が現存する。

夕陽の差す漁村を描いたもので、手前には漁船の浮かぶ穏やかな湖が広がり、左奥には山々を、右は強い夕陽が描かれている。 牧谿の作品は、室町時代に唐物として珍重され、足利義満の所有を示す、鑑蔵印の1つである「道有(どうゆう)」が押される「東山御物」の1つ。 その後も茶の湯の掛物として有力者に伝来した。

国宝『漁村夕照図』根津美術館の国宝・重要文化財チラシから

この国宝を観るには

公開される機会は少ないが、所蔵する根津美術館で何年かに1度は公開される。

公開履歴

2020/11/14~11/29 根津美術館「根津美術館の国宝・重要文化財
2014/9/20~10/19 根津美術館「名画を切り、名器を継ぐ」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-101
【指定番号】00098-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画漁村夕照図〈伝牧谿筆/〉
【員数】1幅
【時代・年】南宋時代
【作者】伝牧谿
【ト書】「道有」の鑑蔵印がある
【所有者】根津美術館
【国宝指定日】1954.03.20

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