絵因果経[東京芸術大学]

絵因果経[東京芸術大学]

絵因果経とは

「絵因果経」とは「過去現在因果経」という釈迦の前世から現世で悟りを得るまでを、巻物の下半分には経を書き、上半分にはその内容を絵で描く「絵解き」をしている。 絵日記を巻物にしたようなもの。 中国で始まり、日本には奈良時代に伝わり日本でも制作されるようになった。

過去現在因果経は4巻で構成されているが、絵因果経になると1巻が上下の2巻で作られるため、全8巻となる。 奈良時代頃に制作されたものは、経は楷書で端正に書かれ、絵は素朴な表現で描かれている。 鎌倉時代頃に制作されたものも残っているが、奈良時代とは書画の作風が異なる。

国宝『絵因果経』巻第四下

全8巻の最後にあたる「第四下」巻で、他の国宝2点よりもやや新しい年代に作られたものだと考えられている。 部分的に断簡され、五島美術館やMOA美術館の「手鑑」(=名筆を少しずつ集めて貼ったもの。書の手本帳)に収蔵されている。 描かれる場面は、悟りを開いた釈迦が説法する様子や、弟子が帰依する様子など。

東京芸術大学の前身である「東京美術学校」の設立に深くかかわった「アーネスト・フェノロサ」と「岡倉天心」によって購入が進められた、学校では最初期のコレクション。 奈良時代の制作だが、色褪せや剥落も少なくよい状態で残っている。

国宝に指定された絵因果経

『絵因果経』第二上[上品蓮台寺/京都]
『絵因果経』第三上[醍醐寺/京都]

この国宝を観るには

東京芸術大学美術館では毎年春に、所蔵品を展示する企画展「藝大コレクション展」が開かれ、その際に出展されることが多い。 企画展だが数百円なので、比較的観やすい国宝である。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-113
【指定番号】00110-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本著色絵因果経〈巻第四下/〉
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【所有者】東京芸術大学
【国宝指定日】1955.02.02

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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