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国宝-彫刻|八部衆立像[興福寺/奈良]

国宝DB-彫刻

八部衆とは

八部衆(はちぶしゅう)は、天竜八部衆や竜神八部衆とも呼ばれ、元は異教の神々が釈迦によって教化され、仏教の守護神となったもの。 法華経では、天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽と説かれ、釈迦の眷属とされる。

国宝『八部衆立像』

興福寺にはかつて、中金堂を挟んで東金堂の反対側に「西金堂」があり、その本尊の釈迦如来像の脇侍として安置されたもの。 かつて西金堂に安置されていた遺物では、国宝『十大弟子立像』『金剛力士立像』『華原磬』『天燈鬼・竜燈鬼立像』などがあり、現在は全て国宝館で公開されている。

一般的な八部衆とは一部の名称が異なり、五部浄・沙羯羅・鳩槃荼・乾闥婆・阿修羅・ 迦楼羅・緊那羅・畢婆迦羅とされ、天・龍・夜叉が、五部浄・沙羯羅・鳩槃荼になっている。 

沙羯羅(さから)
鳩槃荼(くばんだ)
乾闥婆(けんだつば)
阿修羅(あしゅら)
迦楼羅(かるら)
緊那羅(きんなら)
畢婆迦羅(ひばから)
五部浄(ごぶじょう)※胸から下を欠損

奈良時代に多かった「脱活乾漆造」で作られ、これは粘土などで作った型の上に紙や布を貼り、漆で固めてから中の粘土を抜くもので、非常に軽い。 興福寺の八部衆は、像高150cm前後だが重さは1Kgほどしかなく、何度かの火災から救い出されたのはこの軽さのためだとも言われる。

州浜座の上に少ない動きで立っており、阿修羅以外は甲冑を身に着け、少年のようなすっきりした体形とあどけない表情をしている。 五部浄は、胸から下を欠損している。 正倉院に残る文書に、仏師将軍万福と画師秦牛養が作ったと記録されている。

興福寺パンフレットより
胸から下を欠損する「五部浄」の右腕

この国宝を観るには

興福寺の国宝館に安置されており、時間内ならいつでも観ることができる。

時間:9:00~17:00(入館は15分前まで)
料金:一般¥700

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-173
【指定番号】00012-00
【種別】彫刻
【指定名称】乾漆八部衆立像(内一躯下半身欠失)
【ふりがな】かんしつはちぶしゅうりゅうぞう
【員数】8躯
【時代・年】734年
【所有者】興福寺
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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