金剛力士とは
「金剛力士」は仏教を守護する天部で、寺院の門に安置されることが多く、二王(仁王)さんの愛称で親しまれる。 口を開けた阿形(あぎょう)と、口を結んだ吽形(うんぎょう)の2体1対で怒りの表情を表し、これは「阿吽の呼吸」の語源になっている。
国宝『金剛力士立像』
寺院の門に安置されることが多い金剛力士像だが、この等身大ほどの1対の木像は、現存しない「西金堂」の須弥壇に安置されていたもの。 寺伝によると、運慶の兄弟弟子だった「定慶(じょうけい)」の作と伝わり、その作風や完成度から見ても、定慶の作か関りをもったことが推測される。 吽形の足の木組みの墨書や、像内に納められた紙片から、正応元年(1288年)に善増と観実という仏師によって修復されたことが分かる。
かつて西金堂に安置されていた遺物では、国宝『八部衆立像』『十大弟子立像』『金剛力士立像』『華原磬』『天燈鬼・竜燈鬼立像』などがあり、現在は全て国宝館で公開されている。
この国宝を観るには
興福寺「国宝館」に収蔵されており、拝観時間内ならいつでも観ることができる。
時間:9:00~17:00(入館は15分前まで)
料金:一般¥700
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-199
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00038-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造金剛力士立像
【ふりがな】もくぞうこんごうりきしりゅうぞう
【員数】2躯
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【ト書】吽形像の納入紙片及び足〓に正応元年の修理銘がある
【所有者】興福寺
【重文指定日】1897.12.28
【国宝指定日】1952.03.29