元興寺のこと
興福寺の南に位置し、かつては 南都七大寺にも数えられる大寺院で、敷地が興福寺と隣接するほど広かった。 元は、飛鳥の地に蘇我馬子が建立した「飛鳥寺」で、遷都に伴い平城京に移転した。
創建時は広大だった元興寺だが時代と共に荒れ、室町時代頃には一揆等で伽藍の多くを失い縮小し、現在の元興寺である極楽坊ほかいくつかの寺院に分かれていく。 智光曼荼羅を本尊とする「極楽坊」が、現在の元興寺として残っている。
国宝『薬師如来立像』
平安時代初期に作られた薬師如来立像で、安政6年(1859年)に五重大塔が火災で焼失するまでは、塔の本尊として安置されていた。 五重塔のあった場所は、元興寺の隣町「芝新屋町」にあり、礎石などが残っている。 薬師如来立像は、像高165cm弱と人の頭身程度の大きさで、肉付きがよく重厚感があり、下半身の衣文は左右対称の翻波式衣文になっている。
元興寺の国宝
この国宝を観るには
現在は、奈良国立博物館に寄託されており、同館の「なら仏像館」で公開されることがある。
公開履歴
2025/4/19~6/15 奈良国立博物館「超・国宝-祈りのかがやき-」※展示期間未確認
2022/12/20~ 奈良国立博物館 なら仏像館
2022/7/16~8/28 奈良国立博物館「はっけん!ほとけさまのかたち」
2021/2/23~2022/4/3 奈良国立博物館 なら仏像館
2019/12/24~2020/2/26 奈良国立博物館 なら仏像館
2018/9/13~9/27 元興寺「大元興寺諸仏展」里帰り
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-220
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00058-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造薬師如来立像
【ふりがな】もくぞうやくしにょらいりゅうぞう
【員数】1躯
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所有者】元興寺
【国宝指定日】1952.11.22
鑑賞ログ
2020年2月
今回のなら仏像館は、元興寺の薬師如来と薬師寺の三神像です。 こちらは、ガラスケース無しの展示も多くて、それほど混んでいないので、ゆっくり拝見できます。
薬師如来さまは、仏像館中央のホールのような部分にありました。 少し高い土台に乗っていたからか、像の重厚感のせいか、非常に威圧感(言葉が悪いかな?)があります。 神護寺の薬師如来を大きくしたような、どっしりと頼りがいのあるお姿です。