太刀 銘筑州住左(江雪左文字)[ふくやま美術館]

太刀 銘筑州住左(江雪左文字)[ふくやま美術館]

筑前左文字派

左文字派は、筑前(=現在の福岡)を拠点とした刀工の一派。 南北朝時代に
相州(相模国=現在の神奈川)の名工「正宗」の元で修行をした「左衛門三郎(安吉、源慶とも)」が初代で、銘に左衛門の頭文字と思われる「左」と彫ったので「左文字派」と呼ばれる。 九州地方の作風に、相州の特徴でもある沸の強さがみられる。

国宝『太刀 銘筑州住左』(江雪左文字)

左文字派初代の左衛門三郎(通称:大左)によるもので、北条氏政の家臣「板部岡江雪斎」の所有だったことから、この名で呼ばれる。 「大左」は短刀の名手で、現存する刀剣も短刀が多く、銘が入る太刀はこの江雪左文字のみ。

板部岡江雪斎は、北条氏の後に豊臣秀吉に仕え、関ヶ原の戦いでは徳川家康に従った。 江雪斎から家康に献上し、家康から紀州徳川家の初代となる徳川頼宣(家康の10男)に渡り、その後は紀州徳川家に伝来する。

2018年までは株式会社エフピコの創業者である小松安弘氏が所有し、創業の地にある「ふくやま美術館」に寄託されていたが、安弘氏が亡くなった後は福山市に寄贈され、ふくやま美術館に所蔵されている。 この時「小松コレクション」と呼ばれる、国宝7点、重要文化財6点、他1点の刀剣14点が寄贈された。

この国宝を観るには

所蔵(2018年までは寄託)する「ふくやま美術館」で、年に一度程度は刀剣の特別展が開催される他、他館への貸し出しも比較的多い。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-305
【指定番号】00019-00
【指定名称】太刀〈銘筑州住左(江雪左文字)/〉
【ふりがな】たち〈めいちくしゅうじゅうさ(こうせつさもんじ)〉
【員数】1口
【時代・年】南北朝時代
【寸法・重量】刃長78.2cm、反り2.7cm、元幅3.3cm、先幅2.1cm、鋒長4.0cm 
【品質・形状】鎬造、庵棟、身幅あり、鋒やや延び、鍛は小板目、地沸厚く、地景入り、所々飛焼あり。刃文は匂口冴え、小沸最も深く大乱足入り、砂流しかかり、帽子は乱れ込み突き上げてやや深く返り、表尖りごころに掃きかけかかる。表裏に後彫りの棒樋があり、磨上げ茎の表下藩に筋違いの鑢目残り、細鏨で銘をきる。
【作者】筑州住左文字
【画賛・銘等】「筑州住左」
【所有者】ふくやま美術館
【重文指定日】
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】左は、筑前実阿の子で、相州正宗に学んだと伝える名工である。銘を「左」ときることから左文字と呼ばれる。本太刀は、その初代左文字の傑作。同工は、短刀を得意としており、有銘の太刀は稀有であるが、短刀に比べても遜色がない。もと北条氏家臣岡部江雪斎嗣成秘蔵の愛刀であったことから、江雪左文字と号す。後に徳川家康の料となり、紀州頼宣へ与えられた。
【附】打刀拵

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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