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国宝-工芸|彩絵桧扇[厳島神社/広島]

国宝DB-工芸

国宝『彩絵桧扇(檜扇)』

平家一門による奉納品だと伝わる桧扇(檜扇)で、表裏にやまと絵が描かれ「芦手(葦手)」で文字が散らされている。 神社に奉納された古神宝の一部として国宝に指定されたものはいくつかあるが、桧扇が単独で国宝に指定されたのは本品のみ。

桧の薄板34枚で構成され、胡粉を塗った上から雲母や金銀箔を散らしている。 表には公家の男女の姿を、裏には梅の古木や片輪車などが描かれている。 人物は、やまと絵で典型的な「引目鉤鼻(ひきめかぎばな)」で表されている。

この国宝を観るには

厳島神社には宝物館があるが、国宝はレプリカの展示が中心で、秋に数週間開催される「宝物名品展」では国宝の現物が観られる場合がある。 その時も国宝の出展は一部で、桧扇はあまり観られない。

公開履歴

2016/11/24~12/18 厳島神社「宝物名品展」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-375
【指定番号】00087-00
【種別】工芸品
【指定名称】彩絵桧扇
【ふりがな】さいえひおうぎ
【員数】1柄
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】縦30.0cm、幅48.5cm
【品質・形状】檜薄板34枚を銀製鳥形の要金具で留め、上部を糸で綴ったものである。表裏共に胡粉塗の上に雲母を引き、金銀切箔、野毛、砂子をまき散らしたうえに濃彩の岩絵の具をもって彩絵が描か・・・(出展元の途切れ)
【所有者】厳島神社
【国宝指定日】1952.11.22
【説明】檜扇は本来は公卿が儀式次第を覚え書きするため素木のまま用いられたが、平安時代以降、婦女の盛装時に彩絵を施し飾り糸をつけた檜扇を持つようになった。檜扇の古例は当社伝来の古神宝に含まれるものや佐太神社に伝わるものがあるが、本檜扇の特徴として歌絵が描かれていることが挙げられる。歌意については検討を要するが、平安時代に流行した歌絵文様の実際を示すものとして貴重である。また、濃麗な賦彩による作り絵で、引目鉤鼻の人物や金銀箔、野毛、砂子散らしの装飾などは、優雅な趣を呈し、平安時代後期の特色をよく示している。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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