刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切)[福岡市博物館]

刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切)[福岡市博物館]

国宝『刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押/黒田筑前守(名物へし切)』

南北朝~室町時代の山城国(現在の京都府)で活躍した刀工「長谷部一派」を興した「長谷部国重」による刀で、国重は正宗十哲の1人にも数えられる名工。 織田信長の愛刀として有名で、享保名物帳に「へし切長谷部」と記されるのは、信長が茶坊主を手打ちにしようとしたところ、茶坊主が棚の下に隠れて刀を振り下ろせなかったため、圧し(へし)切ったことから、この名物号が付いた。

信長から黒田家への伝来については諸説あるが、信長が秀吉に授け、それを黒田が賜ったとする説や、信長から直接黒田へ贈ったとする説などある。 江戸初期に本阿弥家に鑑定に出され、本阿弥光徳が長谷部国重の作と極めて、表に「黒田筑前守」、裏に「長谷部國重本阿(花押)」と金象嵌で銘を入れている。 戦後まで黒田家に伝わり、第14代当主の長礼氏が亡くなった後に、他の伝来品と共に福岡市に寄贈された。

この国宝を観るには

所蔵する福岡市博物館では、黒田家の名宝が交互に展示され、日光一文字も年に1度は公開される。 2月頃に公開されることが多い。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-385
【指定番号】00097-00
【指定名称】刀〈金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切長谷部)/黒田筑前守〉
【ふりがな】かたな〈きんぞうがんめいはせべくにしげほんあかおう(めいぶつへしきりはせべ)/くろだちくぜんのかみ〉
【員数】1口
【時代・年】南北朝時代
【寸法・重量】身長64.8cm、反り1.0cm、元幅3.0cm、先幅2.5cm、鋒長5.9cm、茎長16.7cm
【品質・形状】鎬造、庵棟、身幅広く、重ね薄く、反り浅く、鋒大。鍛小板目肌よく約り、地沸つく。刃文互の目、小湾を基調とした皆焼、匂口冴え、小沸つく。帽子乱れ込み、表小丸、裏尖りごころ
【画賛・銘等】指表「黒田筑前守」金象嵌銘 指裏「長谷部國重本阿(花押)」金象嵌銘
【所在地】福岡市博物館
【国宝指定日】1953.03.31
【説明】本阿弥光徳が長谷部国重の作と極めて金象嵌銘を施した刀である。身幅が広く、大鋒の姿から、南北朝時代に活躍し、一説に鎌倉の名工五郎入道正宗十哲のうちの一人といわれた国重の作と見られる。もとは大太刀であったものを刀に仕立直している。『享保名物帳』に所載の「へし切長谷部」が本刀である。織田信長所持で、茶坊主観内が敵対したので手討にしたが、御前の下に隠れたので、棚下に刀を差し込み、圧し切ってしまったため「へし切長谷部」と名付けられたという。現存する長谷部一派の作の中でも、有銘無銘を通じて比肩すべきもののない傑作である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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