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国宝-工芸|孔雀文磬[宇佐神宮宝物館/大分]

国宝DB-工芸

磬(けい)とは

仏教の法要や読経の際に使用する楽器(仏具)で、“ヘ”の字型の金属製の板を吊るし、小型の撞木で叩いて音を出す。 中央には、梵鐘のように蓮華を模った撞座があり、その左右には模様が描かれ、その模様により「孔雀文磬」「宝相華文磬」などと呼ばれる。 京都・禅林寺の『蓮花文磬』や福井・瀧谷寺の『宝相華文磬』など、現在5点が国宝に指定されている。

参考:孔雀文磬[東京国立博物館]

国宝『孔雀文磬』

大分県北部にある「宇佐神宮」は、全国にある八幡宮の総本宮で、八幡大神(応神天皇)、比売大神、神功皇后の3柱をまつる。 奈良時代から明治時代までは神仏習合で、境内には東西塔をそろえた大伽藍の神宮寺「弥勒寺」があった。

この磬は、表側の中心に蓮華を模した撞座があり、その左右に羽を上にあげた孔雀2羽が、中心を向いて配されている。 裏面は、表と同様の撞座が中央にあり、その左右に「承元三秊〈己/巳〉/八月五日〈丙/寅〉/ 奉鑄之(撞座)弥勒寺金堂/御磬自亰遣之/法印祐清」 の銘文があり、承元3年(1209年)に祐清という法印(僧の位)が、弥勒寺の金堂に施入したことが分かっている。

この国宝を観るには

個人が所有する国宝だが、宇佐神宮が管理団体になっており、宇佐神宮の宝物館で常時展示されている。

開館時間:9:00~16:00
休館日:火曜日 ※2021年現在は土・日・祝のみ開館
入館料:一般¥300、中高生¥200、小学生¥100

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-406
【指定番号】00113-00
【種別】工芸品
【指定名称】孔雀文磬
【ふりがな】くじゃくもんけい〈みろくじこんどうじょうげんさんねんはちがついつかほうちゅうほういんすけきよざいめい〉
【員数】1面
【国】日本
【時代・年】1209年
【寸法・重量】肩幅28.8cm、裾張り34.1cm、高12.9cm、縁厚0.7~0.9cm、重さ1118Kg 
【品質・形状】鋳銅製。山形低平で、袖先大きく左右に開き、縁幅広く厚めで重厚な造りである。表は中央に肉の厚い荘重な撞座を末、左右に同じく篦押しでやや小さめの孔雀を鋳出し、裏面素文
【ト書】弥勒寺金銅承元三季八月五日奉鋳法印祐清在銘
【画賛・銘等】銘文「承元三秊〈己/巳〉/八月五日〈丙/寅〉/ 奉鑄之(撞座)弥勒寺金堂/御磬自亰遣之/法印祐清」
【所有者】個人
【重文指定日】1935.04.30
【国宝指定日】1953.03.31
【説明】荘重な形姿で、文様や銘文などは篦押技法の粋を示す。肉取りが厚く重厚で、中央の弧に比べて左右の弧が縮まっているなど、様式的には鎌倉時代の特色をよく示す。製作時期や由来が明かな基準作として貴重である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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