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国宝-工芸|孔雀文磬[中尊寺地蔵院/岩手]

国宝DB-工芸

磬(けい)とは

仏教の法要や読経の際に使用する楽器(仏具)で、“ヘ”の字型の金属製の板を吊るし、小型の撞木で叩いて音を出す。 中央には、梵鐘のように蓮華を模った撞座があり、その左右には模様が描かれ、その模様により「孔雀文磬」「宝相華文磬」などと呼ばれる。 京都・禅林寺の『蓮花文磬』や福井・瀧谷寺の『宝相華文磬』など、現在5点が国宝に指定されている。

参考:孔雀文磬[東京国立博物館]

国宝『孔雀文磬』

約2Kgと大型の磬で、両面に「奉施入毛越寺千手堂(撞座)建長二年〈大戊/庚戌〉(裏面のみ「正月日」が付く)」と銘があり、中尊寺から1kmほどの距離で中尊寺と同じく奥州藤原氏の建立による「毛越寺(もうつうじ)」の千手堂に施入されたことがわかる。 中央の蓮華型の撞座は大きく、その両側に花を咥えた孔雀が内側を向いている。

この国宝を観るには

中尊寺の宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」で展示されており、中尊寺の塔頭が所有する他の何点かの国宝と共に観ることができる。

讃衡蔵以外での公開履歴

2024/1/23~4/14 東京国立博物館「中尊寺金色堂

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-377
【指定番号】00089-00
【種別】工芸品
【指定名称】孔雀文磬
【ふりがな】くじゃくもんけい
【員数】1面
【国】日本
【時代・年】建長2年(1250年)
【寸法・重量】肩幅32.4cm、裾張32.6cm、高13.0cm、撞座径9.5cm、縁厚1.2cm、重2100g
【品質・形状】鋳銅鍍金。上下縁各三弧よりなる通常形式の両面磬で、肩幅、裾張りはほどんど同寸の大形な作りで山形は低い。
【ト書】建長二年正月日施入在銘
【画賛・銘等】
 表「奉施入毛越寺千手堂(撞座)建長二年〈大戊/庚戌〉」
 裏「奉施入毛越寺千手堂(撞座)建長二年〈大戈/庚戌〉正月日」
【所有者】地蔵院
【重文指定日】1929.04.06
【国宝指定日】1953.03.31
【説明】形式が雄大荘重で、撞座、孔雀などの肉どりなど典麗に表している。総体に古様を帯びているが、部分的には側縁がほぼ垂直で上下縁の両端二弧が縮むなど、鎌倉時代の特徴を備えている。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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