スポンサーリンク

国宝-工芸|倶利伽羅竜蒔絵経箱[當麻寺奥院/奈良]

国宝DB-工芸

當麻寺奥院のこと

當麻寺は、真言宗と浄土宗が並立するが、塔頭(子院)の「奥院(おくのいん)」は『本堂(曼荼羅堂)』から更に奥に位置する浄土宗の寺院。 応安3年(1370年)に知恩院の塔頭として京都に建立されたが、戦火を避けて現在地に遷座し、知恩院とのつながりは強く住職の隠棲の地にもなっていた。

當麻寺奥院 楼門
當麻寺奥院 本堂

国宝『倶利伽羅竜蒔絵経箱』

平安時代頃の作と思われる、縦31.2cm×横19.1cmで厚みの少ない蒔絵の経箱で、蓋の中央には倶利伽羅竜と左右に制多迦童子と矜羯羅童子を配置する。 倶利伽羅竜は、不動明王の持つ倶利伽羅剣に竜がからみついたもので、不動明王の化身として表現される。

真言八祖の1人で経典を中国にもたらしたインド僧の「善無畏(ぜんむい)」から、真言八祖で空海の師である恵果に渡り、空海が日本に請来したものを弘仁14年(823年)の参籠で伝えたとする伝承がある。

この国宝を観るには

東京国立博物館に寄託されており、同館の通常展で定期的に公開される。 同館では「倶利迦羅龍蒔絵経箱」と表記される。

公開履歴

2020/6/2~6/14 東京国立博物館12室
2018/10/2~12/25 東京国立博物館12室

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-446
【指定番号】00152-00
【種別】工芸品
【指定名称】倶利伽羅竜蒔絵経箱
【ふりがな】くりからりゅうまきえきょうばこ
【員数】1合
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】縦31.2cm、横19.1cm、高5.7cm
【品質・形状】甲盛、胴張り形の経箱で、身に金銅蓮華形の紐金物を打つ。蓋面には平塵の地に金銀の研出蒔絵にて倶利伽羅竜に勢多伽、衿伽羅の二童子を配し、身の側面には蓮池の図を描く。
【所在地】東京国立博物館
【所有者】奥院
【国宝指定日】1954.03.20
【説明】流麗な筆致と金銀粉の巧みな配合の下に描かれた蓋面の図様は、極めて秀逸で当代の仏画をそのまま見る感がある。本経箱は、もとは三段造の構造であったことが側面の図様より推定される。

出典:国指定文化財等データベース 一部抜粋
タイトルとURLをコピーしました