国宝『金装花押散兵庫鎖太刀』
奉納用に作られたと考えられる太刀で、拵は鍍金された銀の板で作られ、武将がサインのように使った「花押」が墨書されている。 花押は足利一門の可能性が高いが特定はされておらず、社伝では足利義満奉納だと伝わる。 刀身は備前長船派の刀工「兼光」の作だとされる。
兵庫鎖太刀とは
太刀は、刃を下にして腰から吊るして佩刀するが、帯から吊るす「帯取(おびとり)」に、金属製の鎖を使用している。 平安後期~鎌倉時代に、公家や上級武士の間で流行し神社へ奉納されたため、奉納品が現在まで伝わっている。
この国宝を観るには
春日大社の国宝殿は、年に3~4回の企画展が開かれるが、そこで公開される場合がある。 館外への貸し出しもまれにある。
公開履歴
2023/12/23~2024/3/31 春日大社 国宝殿「貴族の誇り・武士の魂」※期間未確認
2022/7/16~12/13 春日大社 国宝殿「春日大明神に祈る」
2021/12/24~2022/4/3 春日大社 国宝殿「秘められた大和の名刀」
2020/6/5~9/23 春日大社 国宝殿「Enjoy 鎧」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-485
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00194-00
【種別】工芸品
【指定名称】金装花押散兵庫鎖太刀〈中身無銘/貞治四年の年記がある〉
【ふりがな】きんそうかおうちらしひょうごぐさりたち〈なかみむめい/じょうじよねんのねんきがある〉
【員数】1口
【時代・年】貞治4年(1365年)
【寸法・重量】総長122.4cm、鞘長97.3cm、柄長27.9cm
【品質・形状】柄鞘 銀鑢地鍍金、板金包み。
総金具 冑金、縁、猿手、口金、足金物、責金、石突 銀鑢地鍍金
猿手座金、指目貫、責金の柏葉、五山桐紋客彫、銀地鍍金。
【所有者】春日大社
【国宝指定日】1956.06.28
【説明】柄、鞘共に鈩鑢地の鍍金板で包んだ特殊な兵庫鎖太刀で、わずかに桐紋の装飾金具を用いている。墨書の花押は足利一門の誰人かと思われる。社伝には足利義満奉納と称せられているが、未だ明らかでない。