国宝『金銅宝塔・内容品』
鎌倉時代に西大寺を再興した「叡尊(えいそん)」が、文永7年(1270年)に作らせたもので、中には叡尊所有の仏舎利を安置する。 高さは約90cmで、建築物の宝塔のように、基壇の上に舎利を囲む円筒を置き、宝形造りの屋根の上には九輪(相輪)を乗せる。 修理の際に、内部から水晶製の五輪塔などが発見され、それらも国宝に指定されている。
宝塔の銘に「文永七年六月一日、本願主西大寺沙門叡尊、鋳物師友吉入道西珍」とあり、友吉入道西珍という鋳物師が制作したことがわかる。 制作者や時期など背景がはっきりする点で、貴重である。
国宝指定の内容
金銅宝塔 1基
金銅宝珠形舎利塔 1基
金銅筒形容器 1基
赤地二重襷花文錦小袋 1合
水晶五輪塔(赤地錦小袋共)1基
水晶五輪塔(織物縫合小裹共)1基
附 修理文書 1通
この国宝を観るには
1~2月頃、4~5月、10~11月頃に、西大寺の宝物館「聚宝館」で公開される。
聚宝館以外での公開
2021/3/27~5/16 京都国立博物館「鑑真和上と戒律のあゆみ」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-492
【指定番号】00201-01
【指定名称】金銅宝塔
【ふりがな】こんどうほうとう
【員数】1基
【時代・年】文永7年(1270年)
【ト書】文永七年六月一日、本願主西大寺沙門叡尊、鋳物師友吉入道西珍等在銘
【台帳・管理ID】201-493
【指定番号】00201-02
【指定名称】金銅宝珠形舎利塔
【ふりがな】こんどうほうじゅがたしゃりとう
【員数】1基
【台帳・管理ID】201-494
【指定番号】00201-03
【指定名称】赤地二重襷花文錦小袋
【ふりがな】あかじにじゅうだすきはなもんにしきこぶくろ
【員数】1合
【台帳・管理ID】201-495
【指定番号】00201-04
【指定名称】水晶五輪塔〈赤地錦小袋共/〉
【ふりがな】すいしょうごりんとう〈あかじにしきこぶくろとも/〉
【員数】1基
【時代・年】鎌倉時代
【台帳・管理ID】201-496
【指定番号】00201-05
【指定名称】水晶五輪塔(織物縫合小裹共)
【ふりがな】すいしょうごりんとう
【員数】1基
【時代・年】鎌倉時代
【台帳・管理ID】201-497
【指定番号】00201-06
【指定名称】金銅筒形容器
【ふりがな】こんどうつつがたようき
【員数】1基
【時代・年】鎌倉時代
【種別】工芸品
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【所有者】西大寺
【国宝指定日】1955.06.22