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国宝-書跡典籍|元暦校本万葉集[東京国立博物館]

国宝DB-書跡・典籍

万葉集とは

奈良時代にまとめられた歌集で、短歌のほか長歌・連歌・旋頭歌・仏足石歌が収められ、編纂には大伴家持が関わったとされる。 歌の数は4,500首を超えるが、その内の4,200首は短歌で、漢字を発音記号として使う「万葉仮名」で書かれる。 平安時代以降の歌集は貴人の歌が中心だが、万葉集は天皇や貴族らの歌の上手から、農民や防人の歌まで採用されている。

国宝『元暦校本万葉集』

万葉集の古写本で、五大万葉集の1つでもある『元暦校本(げんりゃくこうほん)』は、奥書に元暦元年(1184年)に、内容の精査や校正をする「校合(こうごう、きょうごう)」を行ったと書かれている。 筆跡をみると10名を超える能書家によって分担され、その中には三跡の1人の藤原行成もあげられるが、実際はもう少し後世に書かれたと考えられる。

青と紫の繊維をところどころに漉き込む「飛雲」の料紙を使用し、万葉仮名で書いた後に、仮名文字で同じ歌が書かれている。 伊勢の名家が所蔵していたが、その後、松平家や水野家を経て古河家に伝わった14冊と、有栖川宮家から高松宮家に伝わった6冊とが別々に伝来し、現在は東京国立博物館に20冊が所蔵される。

国宝『元暦校本万葉集』表紙
国宝『元暦校本万葉集』
国宝『元暦校本万葉集』
国宝『元暦校本万葉集』

5大万葉集

奈良時代に成立した「万葉集」には多くの写本があるが、平安時代に遡るのは5点のみで「五大万葉集」と呼ばれている。 5点の通称と代表的なものは以下の通り。

藍紙本 国宝『万葉集巻第九残巻(藍紙本)』京都国立博物館
元暦校本 国宝『元暦校本万葉集』東京国立博物館 ※このページ
金沢本 御物のほか、国宝『万葉集巻第三、第六巻残巻(金沢万葉)』前田育徳会
天治本 重文「万葉集巻第十五残巻」冠纓神社/香川県
桂本 御物のほか、断簡が各所に分蔵

この国宝を観るには

所蔵する東京国立博物館で1~3年に1度は公開される。

公開履歴

2024/11/19~12/22 東京国立博物館 国宝室
2022/10/18~11/13・12/13~18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて
2022/10/12~10/30 栃木県立博物館「鑑真和上と下野薬師寺
2018/5/8~7/1 東京国立博物館
2017/11/21~12/25 東京国立博物館
2016/5/10~6/12 東京国立博物館
2014/10/28~12/7 東京国立博物館「日本国宝展」
2014/1/2~1/13 東京国立博物館
2013/7/13~9/8 東京国立博物館「和様の書」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-562
【指定番号】00008-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】元暦校本万葉集
【ふりがな】げんりゃくこうほんまんようしゅう
【員数】20冊
【時代・年】平安時代
【ト書】元暦元年六月九日校合奥書(巻第二十)
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

※このページの画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。

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