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国宝-書跡|古今和歌集(高野切本)[個人蔵]

国宝DB-書跡・典籍

高野切とは

古今和歌集の現存する最古の写本で、元は20巻だったが現存するのは完本3巻(全て国宝指定)と、6巻の断簡が各所に分蔵されている。 伝承筆者は紀貫之だが、実際は3名の人物が巻ごとに書いたと考えられている。 「高野切」の名前の由来は、豊臣秀吉が所有していた断簡が、木喰応其(もくじきおうご)という高野山の僧を通じて高野山に伝来したため。

高野切は、古来より仮名書道の手本として珍重され、その写本も多くあるが、現代では国宝や重要文化財の現物を写真撮影して作った教本なども市販されている。

国宝『古今和歌集 巻第五』

高野切の中で完本として残る3巻のうちの1つで、源兼行によるものだとする説が濃厚である。 同じ筆者だと考えられる巻に、毛利博物館蔵の国宝『巻第八』や、京都国立博物館の国宝『手鑑 藻塩草』に含まれる第二巻断簡などがある。 筆跡は、やや右上がりで躍動感があり力強い印象がある。

現在は個人蔵となっているが、横浜の実業家「原三渓」の旧蔵品だったこともある。 現行の文化財保護法による第一回の指定で国宝に指定されている。

この国宝を観るには

個人蔵のため、特別展への出展以外では観ることができないため、機会があれば観ておきたい。

公開履歴

2019/7/13~8/7 横浜美術館「原三渓の美術
2013/7/13~8/12 東京国立博物館「和様の書」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-571
【指定番号】00019-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】古今和歌集巻第五(高野切本)
【ふりがな】こきんわかしゅうまきだいご
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】縦26.4cm 全長573.6cm
【所有者】個人
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】高野切は紀貫之筆と伝えられる『古今和歌集』の最古写本。
『古今和歌集』の零巻は巻第一、二、三、五、八、九、十八、十九、二十の各巻にわたっているが、多くは断簡である。首尾完存するのは、巻第五、八、二十の三巻である。料紙は全て雲母をちらしたものを用い、通巻は一筆であるが、全体としては寄合書きで、(1)巻第一、九、二十、(2)巻第二、三、五、八、(3)巻第十八、十九の三種三筆に分かれる。いずれも仮名書きの連綿の妙を極め、書写の時代は十一世紀中頃と推定される。本巻は、首尾完存する高野切3巻中の1巻。巻第五秋歌下の巻子本の原姿を伝える。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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