国宝『倭漢抄 下巻』
倭漢抄は、倭漢朗詠抄や和漢朗詠集などとも呼ばれ、平安中期の公家で歌人の藤原公任によって選ばれた、朗詠(声に出して歌うように読むこと)のための歌集。 筆者は不明だが、平安後期頃に書写されたと考えられ、下巻の零巻(一部を欠くもの)が2巻伝わっている。
色とりどりの唐紙を継いだ料紙と、光沢を浮き出させた「彩牋」が使用されている。 漢詩は行書を中心とした書体で、和歌は仮名文字で書かれ、書でも和漢の対比をみることができる。 平安中~後期の能書家の三跡の1人で、書の家「世尊寺流」の祖とされる藤原行成の書だとされる。
この国宝を観るには
陽明文庫は一般公開されておらず、京都文化博物館で毎年秋に「陽明文庫の名宝展」が開かれ、交替でいくつかの国宝が公開されるが、倭漢抄はあまり公開されない。
公開履歴
2020/10/3~10/25 筆の里工房「陽明文庫展」
2012/4/17~5/27 京都国立博物館「陽明文庫名宝展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-586
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00042-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】倭漢抄下巻(彩牋)
【ふりがな】わかんしょうげかん
【員数】2巻
【時代・年】平安時代
【所有者】陽明文庫
【国宝指定日】1951.06.09