催馬楽とは
催馬楽(さいばら)は、庶民に親しまれていた民謡に、唐から伝わった雅楽の伴奏をあわせて、貴族の宴会などで演奏されたもの。 使われる楽器は、笙や篳篥(ひちりき)などの管楽器、琴や琵琶など弦楽器と、笏拍子という木製の笏に似た棒を拍子木のように打つ打楽器が用いられた。 平安~鎌倉時代にかけて流行するが、室町時代には廃れてしまった。
国宝『催馬楽譜』
催馬楽譜(さいばらふ)は、催馬楽を演奏するための譜面で、歌詞と旋律や拍子などが書かれ、これは現存最古の催馬楽譜である。 後嵯峨天皇の皇子で鎌倉6代将軍になった「宗尊親王」の筆と伝わるが、実際には平安時代後期に能筆家によって書かれたものだと考えられる。
紙のところどころに青と紫に染めた繊維を漉き込む「飛雲」という料紙を使用し、界線はヘラなどで付ける押界を引き、万葉仮名が楷書で書かれている。 縦25.5cm×横16.7cmの和綴本で、佐賀藩主の鍋島家に伝来したため「鍋島本」と呼ばれる。
この国宝を観るには
鍋島家に伝わった文化財は、鍋島報效会に寄贈され、展示施設の徴古館で開催される展覧会で公開される。 催馬楽譜はあまり頻繁には公開されない。
公開履歴
2020/5/25~7/25 徴古館「佐賀県唯一の国宝と鍋島家の名宝」
2018/11/6~2019/1/14 徴古館「幕末明治の鍋島家 ―大名から侯爵へ」
2008/12/1~2009/1/31 徴古館「冬の名品展―国宝 催馬楽譜と雅楽の世界」
2020年5月25日(月)~2020年7月25日
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-659
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00126-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】催馬楽譜
【ふりがな】さいばらふ
【員数】1冊
【時代・年】平安時代
【所有者】鍋島報效会
【国宝指定日】1952.11.22