潅頂歴名(灌頂暦名)弘法大師筆[神護寺/京都]

潅頂歴名(灌頂暦名)弘法大師筆[神護寺/京都]

灌頂(潅頂)とは

灌頂(かんじょう・かんちょう)は仏教の儀式で、日本では真言宗や天台宗など密教の儀式を指すことが多い。 目隠しで曼荼羅にある仏と縁を結ぶ「結縁灌頂(けちえんかんじょう)」や、僧侶の位「阿闍梨」を授かる際の「伝法灌頂」などがある。 空海や最澄ら、唐で灌頂を授かった入唐僧が、日本でも灌頂の儀式を行った。

国宝『潅頂歴名(灌頂暦名)』

唐から帰国した空海が、弘仁3年(812年)11月、12月、弘仁4年(813年)3月に、高尾山寺(後に神護寺に改名)で行った結縁灌頂の控えで、儀式に参加した200名弱の名前が書かれており、先頭には最澄の名前がある。 走り書きのようにも見え、空海が儀式の最中に手控えのように書いたものだと考えられている。

灌頂暦名は天仁元年(1108年)に白河院の元に渡り、鳥羽離宮の勝光明院にあった宝蔵に収められていたが、徳治3年(1308年)に後宇多法皇から返還され、その際の施入状は「附」として国宝に指定されている。

書家としても高名で「三筆」の1人でもある空海だが、真筆はそれほど多くなく、国宝には「伝」も含め7点が指定されている。 国宝の指定は「潅頂歴名」の字が使われているが、所有者である神護寺は「灌頂暦名」と表記している。

この国宝を観るには

京都国立博物館に寄託されているが、毎年5月1~5日に神護寺で行われる「曝涼(虫干し・虫払い)」には里帰りして一般にも公開される。 その他、特別展などへ出展されることも比較的多い。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-821
【指定番号】00047-00
【種別】古文書
【指定名称】潅頂歴名〈弘法大師筆/〉
【ふりがな】かんじょうれきめい
【員数】1巻
【作者】弘法大師
【附指定】後宇多天皇宸翰施入状 1巻
【所有者】神護寺
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜

鑑賞ログ 2019年5月

神護寺の「曝涼」で拝見。 国宝でもガラス無しで観られるものもありますが、この潅頂歴名はガラスケースに入っていました。 それでも10cmほどの距離で観ることができたので、かなりしっかりと観られます。

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