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国宝-考古|山科西野山古墳出土品[京都大学]

国宝DB-考古・歴史資料

山科西野山古墳のこと

山科西野山古墳は、京都の東山連峰の東峰で新幹線路の南、泉涌寺の1kmほど東で発見された古墳(古墓)。 発見された大正時代に、京都帝国大学(現在の京都大学)が調査を行ったが、現在では場所がわからなくなっており、付近に石碑が建てられている。

発見当初は、この地が中臣氏の拠点であったことから中臣一族の墓と考えられていたが、1970年代に「坂上田村麻呂」の墓だとする説が唱えられ、近年でも田村麻呂墓説を裏付ける文献などの調査結果が発表されている。

国宝『山科西野山古墳出土品』

大正時代に近隣住民によって発見された古墳(古墓)で、木棺からは純金で装飾した大刀や鉄の鏃(矢じり)などの武具や、鏡や硯などの調度品、飾石の付いた帯などが発見されている。 鉄板2枚は墓誌だったと考えられるが、彫られた内容などは不明のままである。

清水寺を創建したと伝わる「坂上田村麻呂」は桓武天皇の信任厚く、征夷大将軍に任命され東征を行い、亡くなるとその当時に在位していた嵯峨天皇の勅命により、甲冑や武具を携えた姿で東に向いて葬られ、死後も都を守護したと伝わる。 西野山古墳の出土品は、田村麻呂埋葬の伝説の通りの武具が含まれ、鏡や硯の形態なども田村麻呂の時代の特徴を有し、大刀の純金の装飾や石帯なども田村麻呂の位階に一致している。

京都国立博物館「京の国宝」チラシより

国宝指定の内容

金装大刀残闕 1口(附帯執革飾金具4箇)
革帯飾石残片 一括(附金鋲一括)
金銀平脱双鳳文鏡 1面(附鏡奩残片2箇)
刀子残闕 1口
鉄鏃 一括
鉄板 2枚
瓦硯残闕 1面
陶製水滴 1口
鉄釘 一括

この国宝を観るには

所蔵する京都大学には「京都大学総合博物館」があるが、常設展示はされておらず、2007年に同館の「 京大の至宝」展で公開されたが、公開される機会は少ない。 国立博物館の展覧会などに出展されることがある。

公開履歴

2021/7/24~9/12 京都国立博物館「京の国宝
2017/10/3~11/26 京都国立博物館「国宝」
2014/10/15~12/7 東京国立博物館 「日本国宝」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-843
【指定番号】00011-00
【種別】考古資料
【指定名称】山科西野山古墳出土品
【ふりがな】やましなにしのやまこふんしゅつどひん
【員数】一括
【国】日本
【時代・年】古墳時代
【所在地】京都大学
【重文指定日】1936.09.06
【国宝指定日】1953.03.31

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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