国宝『金印 漢委奴國王』
漢時代の中国皇帝から贈られた純金製の小型の印で、印面には「漢委奴国王」と刻まれ、上部には蛇をかたどった紐を通すつまみが付いている。 2.3cmの正方形で重さは108gと、単独で国宝に指定された物の中では最も小型の国宝である。(一括で国宝に指定された物の中には、砂金など超小型のものもある) 当時は金印には紫の「綬」という紐が付いていたと考えられている。
後漢の歴史書「後漢書」には、建武中元2年(57年)に後漢の初代皇帝「光武帝」が、倭奴国王に金印を与えたとする記録があり、この印であると考えられる。 魏志倭人伝に記された、卑弥呼が授かった「親魏倭王」の金印は、後漢の後の三国時代に成立する「魏」のもので、漢委奴國王印の方が200年ほど古い。
江戸時代に、博多湾の東側から突き出た岬の先にある「志賀島(しかのしま)」で、農作業中の農民によって発見された。 なぜ志賀島から発見されたのか、現在でも謎とされ、副葬品として埋納されたとする説や、隠すために埋めたとする説など諸説ある。 発見された付近は、現在「金印公園」になっている。
この国宝を観るには
福岡市博物館に常設展示されており、会館期間中ならいつでも観ることができる。
福岡市博物館は、2020/11/30~2021/3/31の期間は改修工事に入るので、2020/12/8~2021/3/28は福岡市美術館「特別展示 国宝金印 漢委奴国王」で関連資料と共に展示されます。
館外での公開
2025/4/26~6/15 大阪市立美術館「日本国宝展」※展示期間未確認
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-850
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00017-00
【種別】考古資料
【指定名称】金印〈印文「漢委奴國王」/〉
【ふりがな】きんいん
【員数】1顆
【国】日本
【時代・年】弥生時代
【ト書】福岡県糟屋郡志賀島村出土
【所在地】福岡市博物館
【重文指定日】1931.12.14
【国宝指定日】1954.03.20