寒山拾得とは
中国の天台山にある国清寺には、ぼろをまとった2人の奇人「寒山(かんざん)」と「拾得(じっとく)」がおり、庫裏に入りこみ話をしているが、その話を理解できるものはいなかった。 国清寺の僧「豊干(ぶかん)」は、2人は文殊菩薩と普賢菩薩の化身だと見抜いていたという。
寒山拾得は、特に禅宗の画題として好まれ、寒山が手に経巻を持つ姿、拾得はほうきを持つ姿で表されることが多い。 寒山・拾得・豊干の「三賢」でも描かれ、豊干は虎を従える姿が多い。
国宝『寒山図』可翁筆
作者の「可翁(かおう)」は、日本の南北朝時代に活躍した水墨画家で、初期水墨画を代表する人物とされる。 生没年や来歴など詳細は不明で、宅間派の画家とする説や、禅僧を比定するなど諸説ある。
本作は、手を後ろで組んでやや上を見上げる寒山を、左斜め後ろからの角度で画面いっぱいに描いている。 衣服などの力強い線と、繊細な表情を描く線が、巧みに使い分けられている。
この国宝を観るには
長野県の諏訪湖畔にある「サンリツ服部美術館」の所蔵で、同館で行われる展覧会に出展される場合がある。
公開履歴
2019/5/18~6/30 サンリツ服部美術館「日本・中国絵画展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-10297
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00053-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画寒山図〈可翁筆/〉
【員数】1幅
【国】日本
【時代・年】南北朝
【作者】可翁
【所有者】サンリツ服部美術館
【国宝指定日】1952.11.22