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国宝-考古|奈良県藤ノ木古墳 出土品[橿原考古学研究所]

国宝DB-考古・歴史資料

藤ノ木古墳とは

藤ノ木古墳は、法隆寺から徒歩5分ほどのところにある円墳。 1985年に行われた第一次調査で未盗掘であることが分かり、1988年の第三次調査で開棺され、中に男性2名が埋葬されていることがわかった。 被葬者は諸説あるが、副葬品の豪華さなどから、かなりの有力者だと思われる。

横穴式の石室に朱塗りの石棺があり、石棺内では紅花の花粉がたくさん見つかっているが、これが防腐のためのものか、埋葬時に供養の様な意味合いで入れられたのかは不明。

国宝『奈良県藤ノ木古墳 出土品』

金銅製の馬具や冠など、透かし彫りや装飾をほどこした華麗な出土品が多く、これより以前に交易をしていた「伽耶国」が滅び、新羅や百済と交易をするようになってもたらされたものだと考えられる。

出土品の中で、銅鏡や剣は古い時代の様式のものが多い。 ビーズ玉などの装飾品が10,000点以上あるが、ガラスや金属製のものばかりで、先時代の主流だった石製の玉などは含まれていなかった。

国宝『奈良県藤ノ木古墳 出土品』橿原考古学研究所
国宝『奈良県藤ノ木古墳 出土品』橿原考古学研究所
国宝『奈良県藤ノ木古墳 出土品』橿原考古学研究所
国宝『奈良県藤ノ木古墳 出土品』の復元品 橿原考古学研究所
江戸東京博物館「玉-古代を彩る至宝-展」にて「銀製鍍金空玉」

国宝の内容

石棺内から出土

銅鏡 4面
金属製品(金銅冠、金銅履、装飾品類、刀剣類)
ガラス製品
附繊維類

石棺外から出土

金銅鞍金具 1背
鉄地金銅張鞍金具(残欠共)2背分
金属製品(馬具、挂甲小札、刀身、鉄鏃など)
土師器・須恵器、蓋三箇共 46箇

この国宝を観るには

橿原考古学研究所附属博物館で常設展示されており、写真撮影も可能。 各地の博物館や特別展などへの貸出でも観られる場合がある。

館外での公開履歴

2023/10/7~12/3 九州歴史資料館「船原古墳とかがやく馬具の精華」
2021/3/19~5/17 古代出雲歴史博物館「しきしまの大和へ」
2020/1/15~3/8 東京国立博物館「出雲と大和
2018/10/23~12/9 江戸東京博物館「玉-古代を彩る至宝-」

古墳の公開

藤ノ木古墳の石室内は、春秋の年に2回各2日間程度内部公開されることが多い。

ふるさと納税「斑鳩の里満喫セット」2名¥50,000、4名¥80,000があり、藤ノ木古墳の特別公開や法隆寺・中宮寺の拝観券が返礼品になっている。

2019/10/26・27 史跡藤ノ木古墳石室特別公開
2019/4/27・28 史跡藤ノ木古墳石室特別公開

文化財指定データ

【台帳・管理ID】 201-10613
【指定番号】00040-00
【指定名称】奈良県藤ノ木古墳出土品
【ふりがな】ならけんふじのきこふんしゅつどひん
【員数】一括
【国・時代】日本・古墳時代
【所有者】国(文化庁)
【所在地】奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
【重文指定日】1988.06.06
【国宝指定日】2004.06.08
【説明】本件は、奈良県法隆寺の西約350メートルに所在する藤ノ木古墳から出土したものの一括である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2018年11月

江戸東京博物館「玉-古代を彩る至宝-展」で鑑賞
以前2014年に東京国立博物館で開催された「国宝展」で観たのは金銅製の装飾品などで、今回出品されたのはガラス玉などと一緒にたくさん埋葬された「銀製鍍金空玉」で、デザインといい大きさといい、どう見てもユザワヤや貴和製作所で売っているメッキのビーズのよう。 かなり小さいパーツもあるが、サイズのばらつきなどもなく滑らかな仕上がり。 出展名が「銀製鍍金空玉」となっているので、銀で作ったビーズ状のものに金メッキをしたという事で、現在のアクセサリーパーツと似ています。

2014年

東京国立博物館「国宝展」で鑑賞
『金銅製鞍金具』『金銅製龍文飾金具』

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