藤原定家と冷泉家
現在も、京都御苑の北に屋敷を構える「冷泉家」は、鎌倉時代の公家「藤原定家(ふじわらの ていか・さだいえ)」や藤原道長を祖先に持つ、和歌の家柄。 定家の孫の代に3家に分かれるが、現在まで続くのは冷泉家のみ。 定家の日記や歌集が4点と、定家の父の藤原俊成による和歌の解説書1点が、国宝に指定されている。
冷泉家の邸内には文庫があり、平安時代以来の古文書や未術品が伝わっている。 明治維新で公家の多くが東京に移ったが、冷泉家は屋敷が残ったこともあり京都に住み続け、文庫と収蔵品が戦災や大震災にあわず、現在まで残された。
国宝『拾遺愚草』自筆本
藤原定家の自撰による和歌集で、冷泉家には定家の自筆本が上中下の3帖伝わっている。 この自筆本の他にいくつかの系統が現代まで伝わっており、上中下の他に続編となる「員外雑歌」も成立する。 拾遺とは、定家の官職だった「侍従」を唐風に呼んだ名である。
冷泉家時雨亭文庫の国宝
後撰和歌集
古来風躰抄
明月記 自筆本
古今和歌集(藤原定家筆)
拾遺愚草 ※このページ
この国宝を観るには
冷泉家時雨亭文庫の文化財は、公開されることが非常に少なく、まれに展覧会などに出展される。 2009年に東京都美術館で開催された「冷泉家 王朝の和歌守展」では、5点の国宝全てが公開された。
公開履歴
2024/9/14~9/29 筆の里工房「定家様が伝えた文化」
2022/10/22~11/6 五島美術館「西行-語り継がれる漂泊の歌詠み」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-11175
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00275-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】拾遺愚草〈上中下/自筆本〉
【ふりがな】しゅういぐそう
【員数】3帖
【時代・年】鎌倉時代
【附指定】草稿断簡1幅
【所有者】冷泉家時雨亭文庫
【国宝指定日】2003.06.05