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国宝-書跡典籍|宋版一切経[醍醐寺/京都]

国宝DB-書跡・典籍

宋版とは

日本の平安後期~鎌倉時代頃に相当する、中国の「宋」時代には、印刷の技術が発達して非常に多くの出版物が印刷される。 この時代に印刷された出版物が「宋版」と呼ばれている。 木版だがクオリティが高く、日本にも数多く入ってきており、寺院や文庫などに伝わっている。

国宝『宋版一切経』

一切経は経典の集大成で、本品は6102帖と現存する類品の中でも最多で、ほぼ完品に近い。 他所に伝わる一切経は、様々な版が混合で構成されるものが多いが、本品は「東禅寺版」と「開元寺版」の2種で構成されている。

建久6年(1195年)に重源が寄進したと記録に残るが、一切経を収めた経箱には宋の元号である慶元4年(1198年)と墨書されたものもあり、何度かに分けて納められたと考えられている。 重源は、東大寺を平安末期の荒廃から再興し、他の請来品を東大寺にも納めている。

中国で紀元前から使われた「角筆」は、木などの先端をとがらせたもので、紙を引っかいたり押えたりして印を付け、文書の補助とした。 この一切経にも角筆の跡が残っており、中国で使われていたものが日本にもたらされたと推測される。

この国宝を観るには

醍醐寺には霊宝館(宝物館)があり、時期によって規模が異なるが、春や秋の大規模な展示の際に出展されることがある。 展覧会への出展も多いので、観る機会は比較的多い。

公開履歴

2024/10/12~12/3 醍醐寺 霊宝館「文化財の継承」
2021/7/24~9/12 京都国立博物館「京の国宝
2020/7/23~8/16 京都国立博物館「聖地をたずねて
2020/3/22~5/15 醍醐寺 霊宝館「春期特別展」※コロナで期間短縮
2020/2/1~3/1 醍醐寺 霊宝館「祈りの伝承 ― 五大力尊仁王会 ―」
2019/10/15~12/10 醍醐寺 霊宝館「醍醐寺の至宝」
2019/1/29~3/24 九州国立博物館「京都・醍醐寺展
2018/9/19~10/15 サントリー美術館「京都・醍醐寺展

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-11768
【指定番号】279
【種別】書跡・典籍
【指定名称】宋版一切経
【ふりがな】そうはんいっさいきょう
【員数】6102帖
【国】中国
【時代・年】南宋時代・12世紀
【内容】藤原俊成筆本1帖、冷泉為相筆本 1帖
【所有者】醍醐寺
【国宝指定日】2017.09.15
【説明】経典の集大成である一切経の内でも質量ともに充実している。中国・福州で開版された東禅寺版と開元寺版からなる。建久六年(1195)重源寄進と伝えられるが、慶元四年(1198)銘の経箱があり、数次にわたって揃えられたと考えられる。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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