国宝『観音猿鶴図』
牧谿による3幅対の水墨画で、中央には岩に坐す白衣観音、向かって右に松の樹上で子を抱く母猿、左に竹林と鳴く鶴を描いている。 いずれも、縦170cm強×横100cm弱の大型の掛軸。 観音図には「道有」印、猿・鶴図には「天山」印が押され、これはいずれも足利義満の鑑蔵印で、東山御物だったものである。
牧谿(もっけい)とは
中国の南宋~元時代の画僧で水墨画を得意とし、日本からの入宋僧や日本へ渡った渡来僧など多くの弟子を持つ禅僧「無準師範」の弟子であった。 中国での評価はそれほど高くないが、日本には禅僧らがもたらして、茶の湯や唐物の流行と共に非常に珍重された。 他に、元は1巻だったという根津美術館の国宝『漁村夕照図』や畠山記念館の国宝『煙寺晩鐘図』が牧谿の作品と伝わる。
この国宝を観るには
大徳寺の本坊では、毎年10月第2日曜日に「曝涼」(虫干し・虫払いとも)を行い、普段は非公開の国宝『方丈』に寺宝が一堂に陳列される。 国宝・重要文化財もこの時に展示され、ガラスなどはなく、ごく間近で観ることができる。 受付時間は9~15時までで、雨天や荒天時は中止となる。
寺外での公開履歴
※曝涼以外での公開を記録しています。
2025/9/20~11/16 京都国立博物館「宋元仏画-蒼海を越えたほとけたち」※展示期間未確認
2017/10/31~11/12 京都国立博物館「池大雅‐天衣無縫の旅の画家」
2017/4/11~5/7 東京国立博物館「茶の湯」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-11
【指定番号】00012-02
【種別】絵画
【指定名称】絹本墨画淡彩猿鶴図〈牧谿筆/〉
【ふりがな】けんぽんぼくがたんさいえんかくず
【員数】3幅
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【作者】牧谿
【ト書】「天山」の鑑蔵印がある
【所有者】大徳寺
【国宝指定日】1951.06.09
【台帳・管理ID】201-12
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00012-01
【種別】絵画
【指定名称】絹本墨画淡彩観音図〈牧谿筆/〉
【ふりがな】けんぽんぼくがたんさいかんのんず
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【作者】牧谿
【ト書】「道有」の鑑蔵印がある
【所有者】大徳寺
【国宝指定日】1951.06.09