国宝『北山抄』
北山抄(ほくざんしょう)は、平安時代の公卿で歌人としての評価が高い「藤原公任(ふじわらのきんとう)」が、朝廷の儀式や政務の記録や有職故実をまとめたもの。 数多くの記録や書物を引用しているが、その中にはすでに失われた書物も多く、書かれた当時の様子を知る資料としても貴重。
公任は、同時代きっての有力者だった藤原道長とも近い関係で、娘が道長の子の藤原教通と結婚しており、北山抄も道長や教通のために書かれた部分がある。 公任が晩年に、京都北山の地に隠棲したので、この名で呼ばれる。
前田家が所蔵する巻子本12巻は、三跡で世尊寺流の祖である藤原行成の孫「藤原伊房(ふじわらのこれふさ)」の書写だとされる。 伊房の真筆とされる書には、国宝『十五番歌合』、国宝『万葉集巻第九残巻 藍紙本』などがある。
この国宝を観るには
東京の前田育徳会には公開施設は無く、石川県立美術館などで公開されるが、機会はそれほど多くない。 やはり少ないが、展覧会への貸し出しもある。
公開履歴
2019/11/22~12/22 石川県立美術館「加賀藩の美術工芸Ⅱ」
2013/7/13~9/8 東京国立博物館「和様の書」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-694
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00175-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】北山抄
【ふりがな】ほくざんしょう
【員数】12巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所有者】前田育徳会
【国宝指定日】1953.11.14
※このページの写真は、国立歴史民俗博物館の複製品の写真です