瑞巖寺(瑞巌寺)のこと
日本三景の松島を目の前に臨む瑞巌寺(ずいがんじ)は、寺伝によると、最長の弟子で3代目の天台座主になる入唐八家の1人「慈覚大師円仁」によって創建されたと伝わる。 創建当時は延福寺といい奥州藤原氏の庇護を受け、鎌倉時代に入ると幕府の庇護を受けて禅宗の寺院となり、名を円福寺と改められた。
江戸時代に入ると、仙台藩の初代藩主となった伊達政宗が復興し、伊達家の菩提寺とする。 その造作は、近畿から130人もの職人を招き、熊野の材木を取り寄せて行った豪勢なもので、寺名が現在の「松島青龍山瑞巌円福禅寺」とされた。
国宝『庫裏・廊下』
国宝の『本堂(方丈)』と同時期の慶長14年(1609年)頃に、伊達政宗が5年の歳月をかけて完成した一連の建物。 国宝に指定された庫裏は、瑞巌寺以外には『妙法院 庫裏』のみ、廊下の国宝指定は瑞巌寺1件のみ。
禅宗の寺院によくみられる庫裏(庫裡)は、台所や食堂として使われ、天井の高い大空間に煙出しを乗せるものが多い。 実用的にシンプルに作られることが多い庫裏だが、瑞巌寺の庫裏は正面に唐草の装飾が施されている。 廊下は、庫裏と本堂をつないでおり、こちらも化粧垂木など装飾が施されている。
この国宝を観るには
受付時間内なら拝観可能。
拝観料 :高校生以上¥700、中学生以下¥400
拝観時間:8:30~15:30(12・1月)~17:00(8月)季節で変動あり
※令和3年(2021年)3月までは、8:00開門
瑞巌寺 公式サイト
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-136
【棟名】庫裏
【ふりがな】くり
【員数】1棟
【構造・形式】桁行23.6m、梁間13.8m、一重、切妻造、妻入、本瓦葺、
玄関及び北面庇二ヶ所を含む
【台帳・管理ID】102-137
【棟名】廊下
【ふりがな】ろうか
【員数】1棟
【構造・形式】桁行玄関二間、東廊下六間、中廊下十一間、西廊下二間、各梁間一間、一重、入母屋造、本瓦葺
【指定番号】00197
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】瑞巖寺庫裏及び廊下
【ふりがな】ずいがんじくりおよびろうか
【時代・年】慶長14年(1609年)
【所在地】宮城県宮城郡松島町松島
【国宝指定日】1959.06.27
【説明】瑞巌寺は慈覚大師円仁の創立と伝える古刹で、鎌倉時代に禅宗となり、伊達政宗は慶長14年(1609)に本堂(元方丈)などを再建した。 庫裏は寺務所や台所などの機能をもつ施設である。禅宗寺院の通例と同じく、この庫裏は切妻造・妻入で煙出のある大屋根を架けた形式で、正面妻に桃山風の唐草装飾をつけ,内部の梁組も豪快である。