国宝『東大寺 梵鐘』
日本三大名鐘(三井寺・平等院、東大寺ではなく神護寺を数える場合もある)の1つ。 東大寺大仏殿から東に坂を上がったところにある「鐘楼ヶ丘」に建つ国宝の『鐘楼』に吊るされており、現在でも毎日撞かれている。 大仏開眼と同年の天平勝宝4年(752年)に鋳造されたものだといわれているが、地震による落下や破損などは何度かあった。
梵鐘の大きさは、高さ3.86メートル、口径2.71メートル、重さは26.3トンもあり、ケヤキで作られた撞木は、長さ4.5メートル、直径30センチ、重さ180キロになる。大きい鐘ということで「大鐘(おおがね)」と呼ばれている。「奈良太郎(ならたろう)」の名で呼ばれることもある。
この国宝でのイベント
この鐘は現在でも毎日撞かれており、長く響く音色で「勢いの東大寺」といわれる。 大晦日の除夜の鐘は一般人が8名1組で撞くことができ、22:30頃から整理券代わりの記念印刷物800枚が配られる。 撞木に細い綱が8本付けられており、それを引いて撞く
鐘楼も国宝です
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-315
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00029-00
【指定】工芸品
【指定名称 】梵鐘
【ふりがな 】ぼんしょう
【員数】1口
【時代・年】日本・奈良時代
【寸法・重量 】総高386cm、口径276.6cm、口厚24.2cm
【品質・形状 】鋳銅製。極めて大形の鐘で、高さに対して口径が著しく大きく、そのたの箇所も大形に造られる。
鐘身の形は緩やかな曲線で強く広がり、横帯より垂直に下る。竜頭は口を大きく開いて笠形を噛み、額に二本の角をつけ、顎に渦文を飾り、頸に宝珠をつける。上部には火焔を欠損するが、蓮華座にのる宝珠を奥。笠形は上面に二条の紐を廻らせて三区に分け、周縁には掛金具座6個を鋳出す。
上下帯は素文。横帯の主線は五条の紐を幅広く廻らし、乳の間と池の間のあいだは縦帯を通して幅広い五条の紐を廻らす。乳は各区に四段九列に配置して総数144個を付す。乳の形は宝珠形で頸部がくびれ、妙心寺鐘や観世音寺鐘と共通する。駒の爪は大きく、出は浅い。撞座は八葉複弁の蓮華文を表し、竜頭の花先と直角に交叉する位置に据える。
【伝来・他】鐘をつるための鋳銅金具に「延應元年己亥九月卅日鋳之大勧進法印行勇大鋳師左兵衛志延時小工廿人」の刻銘がある。
【所在地】奈良市雑司町
【所有者】東大寺
【重文指定日】1931.01.19
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】本鐘は、東大寺大仏開眼供養に際して鋳造されたもので、『南都七大寺巡禮記』によると、大仏鋳造修了後の天平勝宝二年(750)正月より型を造り始め、翌年の十二月に鋳込むが不成功であったため、さらに翌四年正月八日より改めて造り、三月七日に竣工、四月八日の大仏開眼供養の前日に鐘楼に懸けられたということである。 本鐘の大きさは国内随一で、細部に至るまで勇大な趣の意匠である。
鑑賞ログ
2018年12月
俊乗堂の開扉記念のご朱印を頂く間に見学しました。 さすがの大きさの鐘でみんな下にもぐったりしていました。 いまだ現役で撞かれているということで、一度音色を聞いてみたい。