花鳥虫魚を描く−応挙・広重・シーボルト−
明治期から綿業で財をなした「久保惣(久保惣株式会社)」のコレクションがベースになっている「和泉市久保惣記念美術館」は、国宝の『歌仙歌合』を含む日本の書画コレクションが充実しています。
今回の特別展「花鳥虫魚を描く」は、日本画の題材にも多い「花鳥虫魚」をテーマに、浮世絵や日本の洋画、ヨーロッパの版画まで、様々な生き物の描き方を見せてくれるようです。
この展覧会で観られる国宝
青磁鳳凰耳花生 銘「万声」
今回の展覧会は「~描く」ということで、出展品のほとんどが絵画や版画ですが、こちらの博物館所蔵の国宝2点のうちの1点『青磁鳳凰耳花生 銘万声』が出展されます。 花生(花入とも=茶の湯で使用する花瓶や花器)の取っ手が「鳳凰」ということらっしいです。
青磁は3点が国宝に指定されていますが、もう1点の『飛青磁花生』は6/30まで「大阪市立東洋陶磁美術館」で展示されていますので、ぜひ国宝青磁クルーズしてみて下さい。
その他の作品
第1章「浮世絵版画の花鳥虫魚」
花鳥虫魚の出てくる浮世絵が並びます。 歌川広重の花鳥「梅に鶯」や「杜若に燕」や、魚づくしが十数点。 北斎は北斎漫画ほか数点と、歌麿・国芳も1点ずつあります。
第2章「丸山応挙の写生図を中心に」
応挙の「写生図」が14面も展示されるほか、この館で一番人気だという宮本武蔵画の「枯木鳴鵙図」がGWいっぱいまであったようです。 「写生」が特徴の円山派ですから、初代の写生を堪能しましょう。 動物モチーフのある銅鏡が何点か出展されます。
第3章「西洋版画の博物誌と花鳥虫魚」
ヨーロッパの「博物学」の資料として、シーボルトが日本からの帰国後に出版した「日本動物誌」「日本植物誌」から10点ほど。 同時代のヨーロッパの図譜なども展示されます。
第3展示室「高間惣七と熊谷守一の花鳥」
こちらは、第3章の延長なのか協賛展示なのか不明ですが、植物をテーマにした日本の洋画が6点ほど展示されます。
展覧会 概要
期間:2019/4/14~6/2
休日:毎月曜日
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:大人¥600、高大生¥400、中学生以下無料
自動車:阪和自動車道「岸和田・和泉インター」約3分(駐車場無料)
公共交通:以下いずれもバス停「美術館前」下車
泉北高速鉄道「和泉中央駅」南海バス1・3乗場
JR阪和線「和泉府中駅」南海バス2乗場から約30分
南海本線「泉大津駅」南海バス2乗場から約40分
和泉市久保惣記念美術館 公式サイト