大倉集古館のこと
大倉集古館は、明治~大正期の実業家で大倉財閥の創始者「大倉喜八郎」が自身のコレクションを元に、日本初の私立美術館として自邸内に設立したのが始まりです。 後に息子の喜七郎が自邸にホテル・オークラを設立したため、現在もホテル敷地内に位置しています。
開館当時の建物は関東大震災で失いますが、昭和3年(1928年)には現在でも一部が残る東洋風の建物が再建されます。 1998年には国の登録有形文化財に指定され、2014~2019年の長期にわたる改修工事を経て、2019年秋にリニューアルオープンしました。 中国の宮殿風の外観はそのままに、エレベーターや地下のロビーやホールが整備されて、街中なのにゆったりとした雰囲気が味わえます。
能と吉祥「寿-Kotohogi-」
年末から1月下旬までの企画展は「寿-Kotohogi-」で、松竹梅や宝尽くしなど、縁起が良いとされる「吉祥模様」の能装束や工芸品が中心のようです。
能には「猩々」「石橋」など、祝儀的な演目も多くあるので、そういった演目に使われる能面を、演目とあわせて紹介して下さるのは興味深いですね。 今回、初公開になる鈴木守一筆の日本画「石橋・牡丹図」は3幅の掛軸です。
この展覧会で観られる国宝
普賢菩薩騎象像
リニューアルオープンでも圧倒的な存在感を放っていた、象に乗った普賢菩薩です。 どこの寺院にあったかなど詳細は分からないようですが、平安時代に作られたもので、とても穏やかで美しい菩薩像です。 大倉集古館の改修工事中は、他の博物館に貸し出されもしましたが、やはりこちらで観るのが一番しっくりきます。
展覧会 概要
期間:2019/12/24~2020/1/26
休日:毎月曜日(祝日は開館し、翌火曜が休館)12/28~1/1
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般~高校生まで一律¥500(ぐるっとパスで入館無料)
公式サイト:https://www.shukokan.org/