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国宝-工芸|玉蟲厨子[法隆寺/奈良]

国宝DB-工芸

国宝『玉蟲厨子(玉虫厨子)』

飛鳥時代に作られた厨子で、推古天皇の念持仏を安置したと伝わる。 木製で表面は黒漆で仕上げられ、部分的に透かし彫りの金具が付けられる。 金具の下には、昆虫の玉蟲(玉虫)の羽を敷き詰めており、透かし彫りの下から玉虫の羽のきらめく色がのぞくようになっている。

縦長で長方形の台座の上に、仏像を安置する宮殿を乗せ、中ほどで角度が変わる「錣葺(しころぶき)」の屋根を頂く。 高さは2mを超えるが、半分以上は台座が占めており、仏像を安置するスペースは30~40cmほどである。 宮殿部分の3面は両開きの扉で、扉や台座の壁面には菩薩や天部が描かれている。

法隆寺パンフレットより

この国宝を観るには

法隆寺の宝物館「大宝蔵院」で、原則的に常設展示されているので、入場時間内に伽藍を拝観すれば観ることができる。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-321
【指定番号】00034-00
【種別】工芸品
【指定名称】玉蟲厨子
【ふりがな】たまむしずし
【員数】1基
【国】日本
【時代・年】飛鳥時代
【寸法・重量】総高233cm
【品質・形状】四部より成り、基壇部の上に方柱状の須弥座を立て、その上に中台を置き、これに宮殿を安置する。宮殿は、単層入母屋造で、正面と両側に扉を付し、方柱・雲肘木を用い、屋根は錣葺
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】主尊の安置と荘厳が一体化した信仰の結晶である。図案的構成や、細部の技法などに中国六朝時代の遺品に通じる部分があり、飛鳥時代の様式を示す、建築や木工、金工、漆工等の総合製作で、それぞれの優れた技法が渾然と融合された最も傑出した遺品である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年11月

教科書にも載っていた、あの玉虫厨子です。 大宝蔵院にはいつも展示されているので観るのは何度かめですが、残念ながら玉虫の羽はもうよく見えません。それでも、存在感抜群の立派な厨子です。

今回は、参拝料金に含まれる「大宝蔵“院”」と別に、もう1件の宝物館「大宝蔵“殿”」も開館していました。 春や秋に特別公開される、宝物館の別館のようです。 こちらは別料金¥500ですが、せっかくなので入場しました。

受付テーブルの片隅に、玉虫の標本(?!)が置かれていました。 今でも、法隆寺では夏になると玉虫が飛ぶそうで、厨子に使われた玉虫の子孫かもしれません。 こちらには、復元されたきらびやかな玉虫厨子があるので、開館期間内なら往事の豪奢さを観るとよいですよ。

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