動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり
府中の森の中にある府中市美術館は、毎年春の江戸絵画展覧会ではゆるかったりニッチだったり、いつも一味違う角度で楽しませてくださいます。 この秋は、開館20周年を記念して「動物の絵-日本とヨーロッパ-」という絵画の展覧会で、ココの企画する動物の絵って!とかなり前から楽しみにしておりました。 テーマカラーのオレンジに、円形に抜いた応挙の犬があしらわれるというチラシで、キュレーターさんの狙ういい感じが読み取れます。 この展覧会では国宝絵画は出ませんが、かわいさ国宝級の動物絵画が集結しますので、おススメさせていただきます。
ファンの多そうな「家光の部屋」「子犬の部屋」が話題になっていますし、何と言っても府中市美術館の企画展なので江戸絵画が中心なのかと思ったら、意外と西洋絵画や現代作品も多かったです。 海外はランス美術館から11点のゴーギャン他、藤田嗣治やピエール・ボナールなど20点以上が貸し出されています。 国内は全国のすごい数の美術館と、半数ほどを占める個人蔵品というのがすごいです。 個人蔵品は、めったにお目にかかれない作品も多そうですね。
前期だけ行ってきて、江戸絵画好きはもちろん大満足だと思いますが、わりとバランスよくジャンルや雰囲気、テーマの違う絵が並んでいたように思います。 ギュッと好きなものが無い人でも飽きずに観られそうで、動物なので親子連れのお客さんが多かったです。 半数以上が前後期で展示替えのようで、1度行くとチケット半券に次回半額券が付いているので、間に合いそうな方は10/24までの前期に行って、後期は半額で鑑賞というのがお得ですね、
オススメ1「子犬の部屋」
最近は猫ブームが続き、犬派はちょっと押され気味ですが、江戸絵画では永遠に犬派の圧勝です。 前期には、京博から宗達の子犬がお出ましです。 春に京博のトラりんと一緒にアーティゾン美術館に来ていましたが、また一緒に(展示期間はずれてますが)上京中です。 応挙の子犬は前後期あわせて7点、弟子の芦雪は前後期で6点が公開され、ほとんどが個人蔵品なので、ファンはぜひとも!です。 仙厓さんは前後期1点ずつで、前期は「きゃふんきゃふん」でしたが、後期はどんな子犬でしょうか?
オススメ2「家光の部屋」
最近は「家光画伯」と呼ばれ、ネット界隈ではその作品の動物にピッタリのあだ名が大喜利のようになっていますが、徳川3代将軍徳川家光公がお筆を召された水墨画です。 前後期あわせて10点が出展され、お馴染みのメンバーではウサギが前期、ピヨピヨ鳳凰が後期、ミミズクは通しで公開されます。 昨年、新発見で話題になった「竹に雀図」は前期に公開されていて、ザっと描かれた竹の葉の先に大きな雀がとまっていましたが、重力なんて無粋なことは言いっこナシです。
オススメ3「カード作り」
府中市美術館の江戸絵画展は、スタンプを押してオリジナルの「しおり」を作ったり、いつもちょっとしたお楽しみがあります。 今回は「カードを作ってみよう」という企画で、折ると名刺サイズのミニカードに、家光のミミズクや応挙の子犬などの動物と「ありがとう」「これからもよろしくね」などのメッセージを組み合わせて、自分だけのカードが作れます。 おひとり様1枚でと注意書きがありましたので、皆さまマナーは守りましょう!(並んでいる時にマナー違反を見かけたけど、立派な大人の方で残念な気持ちに。。。)
展覧会 概要
期間:2021/9/18~11/28(前期は~10/24、10/26~後期)
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
休館:月曜日(9/20は開館し、9/21が休館)
料金:一般¥1,000、高大生¥500、小中生¥200
府中市美術館 公式サイト