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情報|熊本県立美術館「洛中洛外図屏風と大名文化」2021/7/16~9/5[熊本]

情報-博物館・美術館

林原美術館のこと

林原美術館は、実業家の故林原一郎氏が蒐集した、刀剣を始めとする日本と東洋美術品を元にした市立美術館で、一郎氏の没後に遺族や知人の方々によって、昭和39年(1964年)に「岡山美術館」として開館しました。 美術館のある場所は、旧二の丸屋敷対面所跡だったので、第二次大戦の戦火を免れた長屋門が、美術館の正門になっています。

こちらの美術館は門だけでなく、岡山藩主だった池田家伝来の美術品を引き継がれ、3件の国宝と26件の重要文化財を含む9千件もの収蔵品を誇る美術館なのです。 林原一郎氏が特に熱心に収集されたのが刀剣で、29件の文化財のうち17件が刀剣で占められ、刀剣をテーマにした展覧会が多く企画されています。 池田家から伝わった品は多岐にわたり、蒔絵の調度品、能装束や面、池田本と呼ばれる洛中洛外図を始めとする絵画など、大名文化を伝える豪華な品々が揃います。 遊び心のある企画展が多く、美術館も雰囲気も素敵なので、岡山観光にはぜひ入れて頂きたいスポットです。

長屋門をくぐると、前川国男設計の林原美術館が見える

絢爛豪華! おかやま・林原美術館展 洛中洛外図屏風と大名文化

この夏の熊本県立美術館の特別展は、岡山市の林原美術館のコレクションを100点も展示する「 絢爛豪華! おかやま・林原美術館展  洛中洛外図屏風と大名文化」が開かれます。 林原美術館の収蔵品が、これだけの数まとまって展示されるのは、西日本では初めてのことだそうで、国宝2点、重要文化財12点を含む、とても豪華なラインナップです。 林原美術館には、岡山藩主の池田家に伝わった調度品や能装束など、武家文化を極めた豪華な品々が多くあり、細川家の展覧会を定期的に開催する熊本県立美術館とは、相性も良さそうです。 

タイトルにも入っている「洛中洛外図屏風」は、京都の中心地=洛中と、郊外=洛外を描いた屏風で、戦国時代から江戸時代に流行して、数多く作られました。 2件の国宝と5件の重要文化財ほか多数現存していますが、この「池田本」と呼ばれる重要文化財の六曲一双屏風は、約3千人もの人物が描き込まれるのは最多クラスのようです。 洛中洛外図は描かれる景色で年代が推定出来ますが、この作品は徳川和子の入内行列や、秀吉の祥雲寺を改めた智積院が描かれているので、元和年間(1615~23)頃の作品だと思われます。 これを細かく見だすと、時間がどれだけあっても足りませんが、ぜひ自分のお気に入りの人物や、行ったことのある場所のチェックなどしてみて下さい。

夏休みということもあり、WEBサイトには子供向けのワークシートも公開されていました。 今年は旅行なども難しいかもしれませんし、美術館は感染対策もしやすいので、夏休みの思い出作りにいかがでしょうか。

熊本県立美術館「洛中洛外図屏風と大名文化」チラシより

熊本県立美術館「洛中洛外図屏風と大名文化」チラシより

この展覧会で観られる国宝

太刀 銘 備前国長船住左近将監長光造[林原美術館/岡山]

現在の岡山県「備前」は多くの名工を輩出した刀剣の一大産地で、その中でも「長船派」は備前を代表する刀工の一派で、その2代目「長光」による太刀です。 長光の刀剣は比較的多く現存し、6口が国宝に指定されていますが、左近将監の銘が入るのは比較的後期の作品のようです。

太刀 銘 吉房[林原美術館/岡山]

こちらも備前を代表する一派「福岡一文字派」の刀工「吉房」による太刀です。 福岡一文字派の特徴でもある華やかな丁子乱の刃紋で、後世に太刀を短くする磨上げが行われていない貴重な太刀です。

展覧会 概要

期間:021/7/16~9/5(前期:~8/9、後期:8/11~)
休館:月曜日(7/26は障がいのある方の鑑賞デー、8/9は開館し8/10が閉館、8/16は開館)
時間:9:30~17:15(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,000、大学生¥800、高校生以下無料

熊本県立美術館 公式サイト

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