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情報|三重県総合博物館「親鸞と高田本山」2023/4/22~6/18[三重]

情報-博物館・美術館

親鸞聖人と高田本山専修寺のこと

鎌倉時代に始まった「浄土真宗」の開祖である親鸞聖人は、現在の京都市伏見区日野の地で公家の日野一族として生まれ、9歳の時に青蓮院の慈円和尚のもとで出家します。 青年期は20年ほど比叡山で修業し、その後、浄土宗開祖の法然のもとで専修念仏に帰依しますが、やがて念仏は旧仏教勢力から弾圧され親鸞も越後国(新潟県)に流されてしまいます。 この頃に越後の地で妻帯して子をもうけたようで、やがて許されると、関東地方で布教や執筆などの活動をしました。 この布教の最中に、夢の中で明星天子という童子からお告げを受けて、現在の栃木県真岡市に念仏の道場を開いたのが専修寺の始まりで、弟子の真仏上人に託されました。 この高田派は東海や北陸にも勢力を伸ばし、現在の三重県に当たる伊勢国にも拠点となる堂宇が建立され、やがて真岡市の本寺が戦火にあうと、現在の津市の専修寺が高田派の本拠地になりました。

三重県総合博物館「親鸞と高田本山」

今年は親鸞聖人が生れて850年、来年は教行信証を記して浄土真宗を立教したとする年から800年にあたり、浄土真宗の各派寺院では記念法要が営まれ、博物館でも記念特別展が開催されています。 一番大規模なのが、京都国立博物館の「親鸞—生涯と名宝」でしょうか、各派本山から国宝が出展されて、専修寺からも2件の国宝が出張していました。

京博では展示替えがあったので、どの時期に行っても専修寺の国宝を観ることができましたが、逆に数冊ずつある国宝の全てを一度に観ることはできませんでした。 この展覧会では、全点が一挙に公開されるようですが、期間によって展示される国宝が異なりますので、お目当てのある方は時期をしっかり確認してください。

この展覧会は、親鸞聖人の生涯を追うとともに、高田派の歴史を眺めるようになっています。 他所の展覧会では観られない展示も多いようで、専修寺の近くでこのような展覧会が開かれるのは意義深いですね。

三重県総合博物館「親鸞と高田本山」チラシより

この展覧会で観られる国宝

三重県総合博物館「親鸞と高田本山」チラシより

西方指南抄(親鸞筆)[専修寺/三重]

5/30~6/11に全6冊を公開

浄土真宗を開いた親鸞聖人は、比叡山から下りて六角堂に籠ると聖徳太子の夢告によって、吉水に庵を結んでいた法然上人の弟子となります。 承元の法難で別々の場所に配流され、それが今生の別れになってしまうのですが、親鸞は生涯の師として法然のことを慕っていたのだそうです。 この書物は、法然の生前の説法や問答、行状記などをまとめたもので、親鸞の直筆による6冊が現存します。

三帖和讃(親鸞筆)[専修寺/三重]

6/13~6/18に全3冊を公開

和讃(わさん)は、仏教を讃えるために日本語で作られた賛歌で、七五調の4句で構成されます。 この和讃は親鸞が作ったもので、浄土和讃、浄土高僧和讃、正像末法和讃の3帖で構成されるので「三帖和賛」と呼ばれます。 浄土和讃と浄土高僧和讃は高弟が清書したものに親鸞が加筆し、正像末法和讃は親鸞の自筆本が残っているという貴重なものです。

専修寺の国宝建築

展覧会会場の三重県総合博物館から北に2.5kmの場所に、出展された国宝2件を所有している浄土真宗高田派の総本山「専修寺」があります。 電車だとJR津駅から1駅の一身田駅から徒歩10分ほどなので、展覧会に行かれたらぜひ専修寺にもお参りしてみてください。

御影堂

山門を入って正面、2つの堂宇の内向かって右にあるのが国宝の御影堂で、親鸞聖人の木像がまつられています。 畳が780枚も敷かれた大きな建物で、木造建造物としては日本で5番目の大きさだそうです。 中に入って参拝することができます。

如来堂

唐門を入って正面、向かって左にあるのが国宝の如来堂で、室町時代に延暦寺から贈られたという「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来を本尊としてまつっています。 御影堂よりも小さいですが、2階建てのように見える裳階(もこし)が付いた重厚感のある堂々としたお堂です。

展覧会 概要

期間:2023/4/22~6/18
休館:毎月曜日
時間:9:00~17:00
料金:一般¥800、学生¥480、高校生以下無料

三重県総合博物館 公式サイト

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