仕覆(しふく)とは
中国から禅宗とともに茶が伝わり、日本独特の茶の湯や、その後の文人趣味として流行した煎茶道で発展すると、数多くの道具類が美術品として鑑賞の対象になります。 仕覆(仕服)は茶碗や茶入れ等を入れる袋で、貴重な唐渡りの古裂や、南蛮船がもたらした更紗が使われ、茶席での道具拝見の際に茶道具と一緒に鑑賞されるなどしてきました。
名物裂と古渡り更紗 展
静嘉堂文庫美術館で初の染織をテーマにした展覧会だそうです。 三菱財閥の岩崎家には数多くの「名物」と呼ばれる茶道具が伝わっていて、それらには旧蔵者が誂えた仕覆も一緒に伝わっています。 今回は、茶道具の名品と、それに付随する仕覆類を中心に、名物裂や古渡り更紗の名品を観せて頂けます。
重要文化財「油滴天目」
重美・大名物「唐物茄子茶入 利休物相(木葉猿茄子)」
重美・大名物「唐物肩衝茶入 樋口肩衝(山井肩衝)」
大名物「唐物肩衝茶入 瘤肩衝(佐々肩衝)」
大名物「唐物瓢箪茶入(稲葉瓢箪)」
中興名物「瀬戸芋子茶入(古瀬戸)」銘「雨宿」
中興名物「瀬戸肩衝茶入(金崋山・大津手)」銘「白露」
中興名物「瀬戸肩衝茶入(破風窯・凡手)」銘「玉津島」
中興名物「高取大海茶入」
この展覧会で観られる国宝
曜変天目(稲葉天目)
名物中の名物といわれる稲葉天目は、徳川家光が病に伏せった乳母の春日局に、これで薬を飲むように下賜したもので、春日局の婚家である稲葉家に伝わったものです。 この茶碗は時々公開されますが、仕覆が公開されるのは非常に珍しいので、ぜひ観ておきたいです。
展覧会 概要
期間:2019/11/2~12/15
休日:毎月曜(祝日は開館し、翌火曜が休館)
時間:10:00~16:30(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,000、大高生¥700、中学生以下無料