国宝『東照宮』
江戸幕府の初代将軍である徳川家康を東照大権現として祀ったもの。 家康が現在の静岡県で亡くなると同県の久能山東照宮に埋葬されるが、遺言により1年後にこの地に改葬される。 正式名称は地名の付かない「東照宮」だが、他の東照宮との区別の為「日光東照宮」と呼ばれることが多い。
現在の壮麗な社殿群は、鎮座の20年後に三代将軍家光により造営されたものが多く、以下の5件8棟が国宝の指定を受けており、大工道具などの付属品も国宝に含まれる。
・本殿、石の間、拝殿(附 銅箱入供養具9箇、旧妻戸2枚、箱入大工道具一具)
・正面及び背面唐門 2棟
・東西透塀 2棟
・陽明門 1棟(附 旧天井板2枚)
・東西回廊2棟(附 潜門)
「陽明門」は、500以上の彫刻がされていて一日中見ていても飽きないことから、 別名「日暮の門」とも呼ばれる。 回廊も極彩色の彫刻で彩られ、花鳥が題材になっている。 本殿は「権現作り」で、「本殿」と「拝殿」を「石の間」でつないでいるのが特徴的。
この国宝を観るには
開門時間はいつでも拝観可能。 東照宮には『太刀 銘 国宗』『太刀 銘 真恒』の2口の国宝刀剣があるが、これらは東京国立博物館に寄託されており、現地で観ることはできない。
時間:8:00~17:00(受付は30分前まで)
冬期:8:00~16:00(11月~3月)
料金(東照宮):大人¥1,300、小中生¥450
料金(+宝物館):大人¥2,100、小中生¥770
音声ガイド:表門をくぐって正面で貸出、¥500
文化財指定データ
指定名称 東照宮
よみかた とうしょうぐう
国宝指定日 1951.06.09
所在地 栃木県日光市山内
解説 東照宮は徳川家康の霊廟で、元和3年(1613)に久能山から日光に改葬され、社殿も新設された。現社殿は徳川家光が全面的につくりかえたもので、寛永13年(1636)に完成した。本殿・石の間・拝殿からなる権現造形式で、陽明門なども含め、彫刻・漆塗り・彩色・飾金具等の装飾と建築が一体化し、江戸初期の造形と意匠が集大成されている。
台帳・管理ID 102-269
指定番号 00032
指定名称 東照宮 本殿、石の間及び拝殿
よみかた とうしょうぐう ほんでん、いしのまおよびはいでん
員数 1棟
年代 寛永13年(1636年)
構造・形式 本殿 桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、背面向拝一間、銅瓦葺
構造・形式 石の間 桁行三間、梁間一間、一重、両下造、銅瓦葺
構造・形式 拝殿 桁行九間、梁間四間、一重、入母屋造、正面千鳥破風付、向拝三間、軒唐破風付、銅瓦葺
台帳・管理ID 102-270(正面唐門)271(背面唐門)
指定番号 00033
指定名称 東照宮 正面及び背面唐門
よみかた とうしょうぐう しょうめんおよびはいめんからもん
員数 1棟
年代 寛永13年(1636年)
構造及び形式 正面唐門 桁行一間、梁間一間、一重、四方唐破風造、銅瓦葺
構造及び形式 背面唐門 一間一戸平唐門、銅瓦葺
台帳・管理ID 102-272(東透塀)273(背面唐門)
指定番号 00034
指定名称 東照宮 東西透塀
よみかた とうしょうぐう とうざいすきべい
員数 1棟
年代 寛永13年(1636年)
構造及び形式 折曲り延長四十三間、銅瓦葺
台帳・管理ID 102-277
指定番号 00035
指定名称 東照宮 陽明門
よみかた とうしょうぐう ようめいもん
員数 1棟
年代 寛永13年(1636年)
構造及び形式 三間一戸楼門、入母屋造、四方軒唐破風付、銅瓦葺、左右袖壁付
台帳・管理ID 102-278(東廻廊)279
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
指定番号 00036
指定名称 東照宮 東西廻廊
よみかた とうしょうぐう とうざいかいろう
員数 1棟
年代 寛永13年(1636年)
構造及び形式 折曲り延長五十四間、梁間一間、御供所及び同回廊含む
ご朱印
鑑賞ログ
2016年11月
平成25年から平成31年まで6年をかけての平成の大修理の真っ最中。修理が完了した部分はすでにきらびやかですが、2枚目の写真のように色彩をしている途中段階などもみられて興味深いです。 古い文化財で色あせたところも味わいがありますが、今は記録や研究もしながら昔に使われたのと同じ素材で修復するので、建設された当時の雰囲気が味わえます。江戸初期の人たちがこれを観たらそりゃ極楽だと思ったでしょう。 参道の燈籠などは大名がこぞって寄進したもの。 このきらびやかさに大大名たちの寄進で徳川の天下を印象付けたんでしょう。 修理が完了したらまた行ってみたいです。