御上神社のこと
琵琶湖の南東、草津のやや北あたりに位置し、社殿は神話時代までさかのぼるが、この地に社殿を造営したのは藤原不比等と伝わる。 藤原秀郷によるムカデ退治の伝説が残る三上山(通称:近江富士)を御神体としている。
毎年10月の第2月曜日(体育の日)には、重要無形民俗文化財にも指定されている「三上のずいき祭」が開催される。 ずいき(=芋の茎)で神輿を作るが、青々とした茎をびっしりと並べて壁や屋根部分を作り、花で飾られた神輿が並ぶ様子は壮観。
国宝『本殿』
本殿の建立年ははっきりしないが、様式から鎌倉時代の建立だと考えられ、「天之御影命」(あめのみかげのみこと)がまつられている。 入母屋造の屋根上には、屋根の端で交差する「千木」と、その間に棟木と垂直になる「鰹木」が乗り神社の特徴が強い。 対して、屋根の反りや連子窓、漆喰壁、軒の組み物などは寺院建築の要素が強く、両方の特徴を組み合わせている。
この国宝を観るには
アクセス:JR琵琶湖線「野洲駅」徒歩約30分
アクセス(バス): 野洲駅から「北山台団地行」に乗り「御上神社前」下車
情報:国宝『大笹原神社』入口の「大篠原」からコミュニティバスで「妙光寺公民館」まで移動すると、徒歩15分程度になる。日祝は休み。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1440
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00081
【指定名称】御上神社本殿
【よみかた】みかみじんじゃほんでん
【員数】1棟
【時代・年】 鎌倉後期 1275-1332年
【構造及び形式】本殿:桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、向拝一間、檜皮葺
【所在地】滋賀県野洲市三上
【国宝指定日】1952.11.22
【解説】御上神社は『延喜式』に式内社明神大社、月次に新嘗の官幣社として記載がある古社で、野洲川の流域、三上山の西麓に鎮座する。本殿は様式手法上より鎌倉時代の建立と推定される。方三間屋根入母屋造で隅にのみ舟肘木をつけた比較的單純なものであるが、神社建築のうちでは古い遺構の一つで入母屋造であるのも比較的類例の少ない点文化史的意義が深い。
ご朱印
鑑賞ログ
0018年11月
駅から30分ほど歩きましたが、途中で近江富士とも呼ばれる「三上山」を眺めながらで、真夏と真冬でなければ良い散策になると思います。 時節柄、七五三で賑わっていましたが、今でも活気のある神社でした。