竹生島と宝厳寺のこと
竹生島(ちくぶしま)は、琵琶湖の北端に浮かぶ小島で、周囲は2kmほどだが、港のある南側以外は断崖が多く歩くことはできない。 現在は、宝厳寺と都久夫須麻神社に分かれるが、元は神仏習合で島全体が信仰の土地であった。
宝厳寺は、聖武天皇が夢で天照大神のお告げをうけたことから、僧の行基に命じて建立させたことに始まる。 近江の豪族浅井氏による寄進で伽藍も整い、中世には天皇の行幸がたびたびあった。 豊臣秀吉との関係は深く、遺命によってゆかりの建築物が移築され、寄進された宝物や書状も数多く残っている。
国宝『唐門』
唐門は、宝厳寺の本堂からやや東に下がった場所にある「観音堂」に隣接して入口になっており、豊臣秀頼によって寄進された。 秀吉をまつる豊国廟の門だったが、その前は大阪城本丸の極楽橋の唐門だったといわれ、豊臣秀吉の建てた大阪城唯一の遺構である。 唐破風の屋根は檜皮葺きで、柱などは黒漆塗りに鍍金の飾金具を置き、彫刻は色とりどりの彩色がされている。
この国宝を観るには
長浜港・彦根港・今津港から船が出ており、25~40分で島に渡ることができる。 荒天時には船が運休になる。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1521
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00140
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】宝厳寺
【ふりがな】ほうごんじ
【棟名】唐門
【ふりがな】からもん
【員数】1棟
【時代・年】慶長8年(1603年)
【構造・形式】一間一戸向唐門、檜皮葺
【附指定】棟札1枚
【所在地】滋賀県長浜市早崎町
【国宝指定日】1953.03.31