国宝『大仏殿』
寺院伽藍の中心である「金堂(こんどう)」(=本堂)で、聖武天皇の発願により鋳造された国宝『盧舎那仏坐像』(奈良の大仏)の完成後に建築された。 平安末期には平家の焼き討ちにより焼失するが、重源上人によって再建される。 戦国時代に再度戦火で焼失し、18世紀初頭に公慶上人によって現在の大仏殿が再建されるまで、大仏は120年ほど雨ざらしの状態だった。
奈良時代に創建された時の大仏殿は、11間(柱と柱の間が11)で幅が86mあったが、江戸時代の再建時には材木の調達ができず、7間で幅は約57mと創建時の2/3ほどの大きさになっている。 柱はケヤキをヒノキ板で囲い銅輪と鉄釘で締めている。 それでも在来工法での国宝建築としては世界最大の大きさである。
大仏殿には屋根が2つあるが、下の屋根に見えるのは「裳階」という雨風よけの装飾で、大仏様の様式が基本となっていて内部の天井は縦横に組まれた柱が見えている。 外側の正面中央には「唐破風」という曲線的な小さい飾り屋根があり、その下の「観相窓」を開くと外から大仏の顔が拝めるようになっている。
この国宝を観るには
東大寺は南大門や二月堂など無料で拝観できる場所もあるが、大仏殿や法華堂(三月堂)など有料拝観の堂宇はそれぞれで料金を払うことになる。
大晦日から新年を迎える時は観相窓が開かれて、無料で参拝する事ができる。
時間:7:30~17:30(11~3月は8:00~17:00)
料金:大人・高中生¥600、小学生¥300(ミュージアムとセット券あり)
東大寺Webサイト:http://www.todaiji.or.jp/
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2438
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00057
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】東大寺金堂(大仏殿)
【ふりがな】とうだいじこんどう(だいぶつでん)
【員数】1棟
【時代・年】宝永2年(1705年)
【構造・形式】桁行五間、梁間五間、一重もこし付、寄棟造、本瓦葺、正面唐破風付、銅板葺
【重文指定日】1898.12.28
【国宝指定日】1952.03.29
【説明】聖武天皇が創建した東大寺は、平安末期と室町末期の二度、焼失した。現金堂は宝永6年(1707)に落慶供養された三代目である。莫大な費用と工期を抑えるため、創建規模から桁行で4間縮めたが、梁間や高さは踏襲し、今なお世界最大の木造建築である。正面裳階を唐破風とし、柱を集成材にするなど、江戸時代の創意と工夫も伺える。
大仏殿のご朱印
鑑賞ログ
2019年1月
大仏殿に入るのは10年ぶりくらい? 中が撮影OKで驚きました。 今回は朝一番で人がほとんどいなかったので、中の模型なんかも見ながらゆっくりと鑑賞。 一度は観相窓が開いた時で観てみたいです。