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国宝-建築|室生寺 金堂[奈良]

国宝DB-建築

室生寺のこと

奈良県東部、三重県との県境近くの山あいにある「室生(むろう)」の地は、洞窟が多いため竜神が住むとされ、乞雨や止雨の祈祷が多く行われた。 天武天皇の勅願によって役小角が建立し、空海が再興したという伝説が残るが、史実では、山部親王(後の桓武天皇)の祈祷のために、興福寺の僧「賢璟」によって奈良時代末に開かれ、弟子の修圓によって堂宇が整えられた。

江戸時代には徳川5代将軍の綱吉を生んだ「桂昌院」によって再興され、高野山が女人禁制だったのに対し、室生寺は女性の参詣を許したので「女人高野」とも呼ばれた。 現在は、新義真言宗室生寺派の総本山。

国宝『金堂』

平安時代前期に作られた仏堂で、現在は正面が懸崖造り(懸造り)になっているが、この「礼堂」部分は江戸時代に増築されたもの。 桁行(横幅)5間(柱の間が5つ)、梁間(奥行)4間であった正堂部分に、1間の礼堂を足し、周囲には縁がめぐらされ、屋根はこけら葺きの寄棟造り。 礼堂がなかった頃は、外から中に安置された仏像を拝むことができたという。

現在は、中央に国宝『釈迦如来立像』を、向かって右に重要文化財「薬師如来立像」を、左に重要文化財「文殊菩薩立像」を、その手前に十二神将のうち6躯を安置している。 2019年までは、その更に外側に2躯の仏像、国宝『十一面観音立像』と重要文化財「地蔵菩薩立像」を安置していたが、十二神将の残り6躯と共に、寳物殿に移動された。 本尊の後ろの板壁には諸尊の曼荼羅が描かれており『伝帝釈天曼荼羅図』として国宝に指定されている。 仏像は一般的な三尊や眷属の形式ではなく、様式や大きさも異なることから、元は別の仏堂にあったものが、何かの事情で金堂に安置されたと考えられる。

室生寺 国宝『金堂』

この国宝を観るには

時間:9:00~16:00(寳物殿の最終入場は15:00)
料金:大人¥600、子供¥400(寳物殿は別途¥400)

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-2763
【指定番号】00064
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】室生寺金堂
【ふりがな】むろうじこんどう
【員数】1棟
【時代・年】平安前期
【構造・形式】桁行五間、梁間五間、一重、寄棟造、正面一間通りすがる破風付葺きおろし、こけら葺
【所在地】奈良県宇陀市室生区室生
【重文指定日】1901.08.02
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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