国宝『訶梨帝母像』
出産の時などによく行われた修法「 訶梨帝母法 」の本尊だったと考えられる、掛軸状の大型の仏画。 「訶梨帝母(かりていも)」は、夜叉の姿でも現される鬼子母神のことだが、祈祷の本尊として使われるものは弁財天や吉祥天のような中国の貴人の姿で表されることが多く、この画像も穏やかな表情をしている。
椅子に座ってやや右を向き、右手にはザクロの枝を、左手には子供を抱き、足元にも子供がまとわりついている。 持ち物は元は「吉祥果」だったが、中国文化の影響でザクロになったといわれる。
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醍醐寺文化財アーカイブス →「醍醐寺の国宝・重要文化財」→「鎌倉時代」
この国宝を観るには
醍醐寺の霊宝館(宝物館)に出展されることがある。
公開履歴
2022/10/15~12/4 醍醐寺 霊宝館
2020/10/15~12/10 醍醐寺 霊宝館「特別公開」
2019/1/29~2/24 九州国立博物館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙」
2018/9/19~10/15 サントリー美術館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-126
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00120-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色訶梨帝母像
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくかりていもぞう
【員数】1幅
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】醍醐寺
【国宝指定日】1955.06.22
鑑賞ログ
2018年9月
サントリー美術館「醍醐寺展」
訶梨帝母は鬼子母神のことらしい。 右手にはざくろを持っていて、子供が何人かまとわりついたり遊んだりしている。 この展示スペースは祈祷や修法をする時に本尊として、それぞれの修法にあった仏画や仏像を集めたコーナー。 この絵は子育てや安産などの祈願? 鬼子母神というよりも、奈良時代か昔の中国の高貴な女性を描いたよう。 とても優しい雰囲気。