十一面観音立像[聖林寺/奈良]

十一面観音立像[聖林寺/奈良]

国宝『十一面観音立像』

この十一面観音像は、元は大神神社の神宮寺で明治期に廃寺になった「大御輪寺(だいごりんじ、おおみわてら)」の本尊で、江戸最末期の神仏分離令によって寺を離れた。 移動の時には、大八車に乗せて運ばれたという。 大御輪寺では、脇侍や四天王が並びきらびやかな天蓋などもあったという。 その時に脇侍だった国宝『地蔵菩薩』は法隆寺に移され、現在は法隆寺の大宝蔵院(宝物館)で観ることができる。

奈良時代後期頃に制作された約209cmの木心乾漆像で、おおよその形を木で作り、その上から漆に木粉などを混ぜた「木屎漆」で細かい形を作っていく。 金箔で仕上げられており、高い技術と高価な素材から、東大寺の造仏所で制作されたとする説がある。 頭上の化仏がいくつか失われているものの、像の保存状態は良好だが、光背は損傷がはげしく奈良国立博物館に寄託されている。

長年秘仏とされてきたが、明治20年にアーネスト・フェノロサによって禁を解かれる。 フェノロサはその美しさを絶賛し、万が一の時に仏像を避難させられるように、滑車の仕掛けが付いた厨子を寄進した。 その後も和辻哲郎や白洲正子ら多数の著名人が、著書に賞賛を残している。

聖林寺パンフレットより

この国宝を観るには

聖林寺の本尊は、江戸時代に作られた地蔵菩薩で、本堂の中尊は本尊がまつられている。 十一面観音は、本堂奥の階段を数十段上ったところにある、コンクリート作りの観音堂に安置されている。 受付時間(9:00~16:30)内なら拝観可能。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-185
【指定番号】00024-00
【種別】彫刻
【指定名称】木心乾漆十一面観音立像
【ふりがな】もくしんかんしつじゅういちめんかんのんりゅうぞう
【員数】1躯
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【所有者】聖林寺
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

国宝データ 彫刻カテゴリの最新記事