国宝『普賢菩薩騎象像』
平安時代後期に作られた普賢菩薩が象に乗った木像で、貴族趣味的で優美な作品である。 京都周辺で円派の仏師により作られ、どこかの寺院で釈迦如来の脇侍としてまつられていたと考えられるが、来歴などは不明。 大倉財閥の創業者である大倉喜八郎氏が、東京国立博物館の初代館長町田久成氏から譲り受けたという。
普賢菩薩は、像の背に据えられた蓮華座の上に結跏趺坐で座し、穏やかな表情で合掌をしている。 元は全体に彩色が施されていたと思われるが、現在ではところどころに残るのみで、部分的に残った截金(金属を細く切って貼り模様を表現する細工)などに、制作当時の華やかさが残っている。
この国宝を観るには
ホテルオークラ敷地内にある「大倉集古館」の所蔵で、展覧会によって公開される場合がある。 所蔵する3件の国宝の中では、公開される機会が多い。
公開履歴
2025/4/26~6/15 大阪市立美術館「日本国宝展」※展示期間未確認
2022/11/1~2023/1/9 大倉集古館「信仰の美」
2021/4/6~6/6 大倉集古館「彩られた紙」
2019/12/24~2020/1/26 大倉集古館「能と吉祥 寿-Kotohogi-」
2019/9/12~11/17 大倉集古館 リニューアル「桃源郷展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-276
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00112-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造普賢菩薩騎象像
【ふりがな】もくぞうふげんぼさつきぞうぞう
【員数】1躯
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所在地】大倉集古館
【国宝指定日】1967.06.15
鑑賞ログ
2019年9月
リニューアルで久しぶりの大倉集古館です。 あの独特の雰囲気がなくなってしまわないか心配でしたが、エレベーターなど便利な施設はできても、中国の宮殿風は健在でした。 リニューアル前後のギャップは、ホテル本館よりも少ないのではないでしょうか。 普賢菩薩像は、何度か特別展に出展されていたので、それほど久しぶりではありませんが、やはりここで観るのが落ち着きます。