国宝『太刀 銘 為次(狐ヶ崎)』
平安時代末期~鎌倉時代の備中(現在の岡山県)青江派の刀工「為次(ためつぐ)」による太刀で、この時代の青江派の刀剣は「古青江」と呼ばれる。 身幅が広く重ねも厚い豪壮な太刀で、全体的に反りが高く、茎にも反りが入る。 鎌倉時代前期頃のものと思われる、革を漆で固めた拵が残っており、附に指定されている。
後に岩国の藩主になる吉川家の2代目「吉川友兼」(吉香とも)が、梶原景時の討伐に参加した時に佩刀しており、この太刀で景時の三男の梶原景茂を討ち取ったと伝わる。 以来、吉川家に伝来し、現在は吉川資料館に所蔵される。 討伐したのが、駿河国(現在の静岡県)狐ヶ崎だったことから「狐ヶ崎」の号がある。
この国宝を観るには
秋頃に、吉川資料館で公開される。
公開履歴
2024/9/28~12/1 吉川資料館「吉川広家と天下人豊臣秀吉」
2023/10/26~11/26 吉川資料館「吉川家と錦帯橋」
2022/9/29~11/27 吉川資料館「吉川本吾妻鏡展」
2021/10/1~11/30 吉川資料館「漆工芸品展~武具を中心に~」
2020/10/1~11/30 吉川史料館「吉川家の刀剣」
2019/9/12~12/22 吉川史料館「武家のたしなみ展」
2018/10/1~11/30 吉川資料館「吉川経幹展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-326
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00039-00
【指定名称】太刀〈銘為次(狐ヶ崎)〉
【ふりがな】たち〈めいためつぐ(きつねがさき)〉
【員数】1口
【時代・年】鎌倉時代
【作者】為次
【寸法・重量】刃長78.8cm、反り3.4cm、元幅3.2cm、先幅2.1cm、鋒長3.3cm
【品質・形状】鎬造り、庵棟、kっさき詰まり、肉豊かに先反やや強く踏ん張りあり。鍛えは小板目約り、やや肌立ち、いわゆる縮緬肌となり、地沸厚く乱れ映り立ち、刃は小乱れに足葉繁く
【画賛・銘等】「為次」の銘がある。
【附指定】黒漆革巻太刀拵 1口
【所在地】吉川史料館
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】古青江為次の作。保存が非常によく健全で、作中第一の名作でもある。腰反りが高く堂々とした姿、鍛えも落ち着きのある作風を示す。
岩国の吉川家に伝来し、当家の祖駿河国吉香小次郎友兼が正治二年に駿河国狐ヶ崎で、梶原景時一統を討伐した時の佩刀と伝えられることから「狐ヶ崎」の号がある。